中国産ルチル型二酸化チタンに反ダンピング調査、財務省と経産省が発表
財務省と経済産業省は2026年10月16日、中華人民共和国(香港およびマカオを除く)を原産地とするルチル型二酸化チタンを主原料とした顔料および調製品を対象に、不当廉売(反ダンピング)関税の課税要否を判断するための合同調査を開始したと発表した。同日付で財務省告示(令和8年第292号)が公布された。
今回の調査は、国内メーカーで構成される日本酸化チタン工業会が同年8月7日に財務大臣宛てへ提出した課税申請に基づくもの。政府が関係法令に照らして検討を進めた結果、正式に調査を開始する必要があると判断した。調査期間は原則として1年以内と定められており、世界貿易機関(WTO)協定および国内法令に準拠し、不当廉売の客観的証拠や国内産業への影響について事実確認が進められる。
調査の対象となる貨物は、統計品目番号(HSコード)の第3206.11号に該当する品目。乾燥状態での二酸化チタン含有量が全重量の80%以上を占め、結晶構造がルチル型で平均粒子径が100ナノメートルを超える白色微細粉末である。優れた隠蔽力と耐候性を持ち、自動車用や高級建築用の塗料、各種印刷インキ、プラスチック製品の着色材などに幅広く採用されている基礎的な化学素材だ。
同工業会の申請資料によると、中国産の対象製品の輸入量は2023年度から2025年度にかけて2倍以上に急伸しており、50%から60%のダンピング差額率が生じていると主張されている。国内メーカー側は、安価な中国産品の大量流入によって販売価格の引き下げを余儀なくされたほか、原材料費の上昇分を価格へ転嫁することが困難となり、事業活動において実質的な損害を受けていると訴えている。
両省は今後、利害関係者からの情報収集や現地調査などを通じ、ダンピング輸入の事実関係および国内産業に及ぼす影響を精査し、関税賦課の是非を最終判断する方針だ。
