鳥取県立中央病院でECMO誤接続、70代男性が意識不明の重体 酸素供給が約20分停止
鳥取県立中央病院(鳥取市)は2026年9月1日、心筋梗塞のため入院していた神奈川県在住の70代男性患者の治療において、体外式膜型人工肺(ECMO)の酸素チューブの接続ミスによる医療事故が発生したと発表した。患者への酸素供給が約20分間にわたって停止し、男性は低酸素性脳症を発症して意識不明の重体となっている。
病院の説明によると、男性は鳥取県内を旅行中だった8月9日に心筋梗塞を発症して同院に救急搬送された。呼吸不全などを伴っていたため、ECMOを装着して救急集中治療室で治療を受けていた。
事故が起きたのは8月11日。患者を救急集中治療室から心臓治療専用室へ移動させた際、担当していた30代の臨床工学技士が、移動用酸素ボンベからECMO本体への酸素チューブの付け替えを行わないままボンベの栓を閉めた。この結果、医師が接続の不備に気付くまでのおよそ20分間、ECMOを通じた酸素供給が完全に止まった状態となった。
酸素供給の停止中、ECMOの酸素濃度低下を知らせる警報アラームが計4回鳴動していた。しかし、当該技士は1回目と2回目のアラームについて異常はないと自己判断し、警報音を停止させていた。その後、異常に気付いて駆けつけた救急科の医師がチューブの未接続を発見した。
当該技士は10年以上の実務経験を有するベテランだったが、当時はECMOを含む3台の医療機器の管理・調整を1人で担当していたという。
同院は外部の有識者を交えた事故調査委員会を立ち上げ、事故に至った詳細な経緯や機器管理体制の検証、再発防止策の策定を進めている。鳥取県庁で記者会見を開いた千酌浩樹院長は「重大事故により患者、親族、県民に大変なご迷惑と心配をおかけし、心からおわび申し上げます」と謝罪した。
