社会

20代の若者に広がる「推し活」ブーム:趣味が人生を変える時代

いま日本の若者の間で、「推し活」が人生の大きな楽しみとして定着しつつあります。推し活とは自分が熱心に応援するアイドルやアーティスト、キャラクターなどの「推し」のために、グッズ購入やイベント参加などに情熱とお金を注ぐファン活動のこと。最新の調査によると、20代の約半数が推し活に積極的に取り組み、毎月1万円以上を費やす人も珍しくありません。​

推し活は一部のオタクたちだけのものではなく、今や多くの普通の若者が趣味として、ちょっとした日常の楽しみとして取り入れています。SHIBUYA109の調査でも、around20—つまり20代前後の若者の8割以上が「推しがいる」と答えています。グッズ集めはもちろん、ライブ遠征やオンラインイベントへの参加、SNSでの推し仲間との交流など、その活動範囲はますます広がっています。​

お金も時間も「推し」のために

推し活市場は年間3.9兆円規模と推定されており、特にZ世代女性の消費意欲は高く、グッズ購入、ライブ参加、推しの誕生日を祝うための企画に惜しみなく出費する人が増えています。1年間に推しグッズに使う金額は平均3〜5万円、イベント参加や遠征費も合わせると10万円、20万円を超えるケースもめずらしくありません。グッズ購入では缶バッジやトレカだけでなく、ライブ会場限定の公式グッズ、コラボアパレル、推し色のグッズなども人気です。​

推し活は消費だけではありません。自分の推しへの愛をSNSで発信し、共感し合う仲間とつながることで、日々のモチベーションや居場所を感じる若者が増えています。また、推し活のために副業や転職を経験したという若者も少なくありません。推しの誕生日には自分専用にスマホのホーム画面を飾ったり、イベント時には推しカラーのファッションで集まるなど、「自分らしさ」を表現する手段にもなっています。​

今や推し活は誰もが気軽に始められる趣味として広がる一方、楽しみ方は無限大。イベント遠征、ライブツアー、推しの地を巡る「聖地巡礼」旅行など、時間も労力も惜しみません。もちろん、節約志向の若者も増えているため、推し活専用貯金やメルカリで不要になったグッズを販売して費用を工面するなど、工夫もされているようです。​

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