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iPhoneで、だれでも直感的にゲームがつくれる「Springin′(スプリンギン)」とは


プログラミング教育は、論理的思考力や創造性、問題解決能力などの育成を目的として2020年から小学校、2021年から中学校で必修化されている。
そして2024年には、大学入試にも「情報」が基礎的科目として必須科目となる。

プログラミング教育は、子どもの考える力を養うのに適してるが、プログラミング経験がない親にとっては、どのように子どもに提供してよいのか、わからない。

そこで今回は、
スマートフォンだけで、だれでも手軽にプログラミングができる「Springin’(スプリンギン)」を紹介しよう。

■誰もが気軽にゲームをつくることが当たり前に楽しめるようにしたい
Springin’の開発者の株式会社しくみデザイン 代表取締役 中村俊介氏に、開発経緯や現在の状況、今後の展開について聞いた。

筆者:Springin’開発の経緯を教えてください。
中村俊介氏:2005年の創業以来、自らがクリエイターとして1500を超える体験型のデジタル作品をつくってきました。例えば、SMAP等のアーティストのリアルタイム映像演出、科学館やテーマパークの体験コンテンツ、そして参加型のデジタルサイネージなど、日本で最初に弊社がビジネス化したものもたくさんあります。
たとえば、新世代楽器「KAGURA」は、インテル主催の技術コンテストと、スペインの音楽フェスのスタートアップコンテストで、グランプリを受賞しました。

クリエイターとして創作活動をしていく中で、「つくること」の楽しさを、より多くの人に体験して欲しいと思うようになりました。

そんな時にiPadが発売されました。いつでもどこでも気軽にデジタル作品をつくれる時代が来ると確信し、誰もが簡単に「タッチしたら音が鳴る絵」をつくれるpaintoneというアプリを開発しました。これがSpringin’の前身です。

paintoneでは2歳の娘が絵を描いて録音して作品をつくるようになりました。今でもその時の絵と声が残っていますが、こういうところもデジタルの良いところです。しかし、音の鳴る絵がつくれるだけではどうしても作品の表現に限界があります。もっと様々なジャンルのゲームをつくれるように、動きや反応を作り込めるようにすることにしました。

そこで必要なのが、プログラミングです。
誰でも簡単にゲームがつくれるようにするためには、プログラミングを直感的に使えるようなものにする必要があります。「文字を一切使わない」「エラーが存在しない」「操作感が気持ちいい」プログラミング手法を発明、実装して、創作の敷居を下げ、思いついたらすぐにゲームがつくれる「Springin’(スプリンギン)」の開発をはじめました。

2015年に、自分の描いた絵に、アイコンをタップしてゲームがつくれるiOSアプリ「Springin’」をリリース。さまざまな場所でワークショップを実施してユーザーのフィードバックを得て、改良を重ねていきました。

そして2017年に、ユーザー同士で作品をやり取りできるマーケット機能を実装し、つくるだけではなくシェアもできる、今のかたちのSpringin’となりました。


Springin’の開発者の株式会社しくみデザイン 代表取締役 中村俊介氏

筆者:とくに注力したことは何ですか?
中村俊介氏:「作品をつくること」の楽しさに集中できるようにするために、思いついてから動くものができるまでのプロセスや学習コストをできるだけ少なくしたことです。アプリを起動して、創作ボタンをタップしたらすぐ作り始められて、数秒で動くものができる気軽さを大事にしています。

筆者:現在の状況を教えてください。
中村俊介氏:現在、登録ユーザーは16万人を越え、30万作品以上がマーケットに出品されています。
iOS版、Android版両方に対応しており、作品をシェアするとWEBブラウザでも遊べるようになりました。ゲームクリエイターになりたい人の入口のアプリとして利用されるようになり、作品のクオリティも上がり、人気のスプリンギンクリエイターも生まれています。

また、企業のサイト用のゲームやキャンペーン用のゲームをSpringin’でつくる事例も出てきました。

筆者:衝撃的なエピソードはありますか?
中村俊介氏:3つあります。
1つ目は、2019年の夏に1カ月のダウンロード数が突然8倍になったことです。このとき、小学校のプログラミング教育の必修化の前年で、私立小学校を中心に教育機関で話題になったことが原因だったことが後になってわかりました。

2つ目は、小学生や主婦やデザイン専門学校生やイラストレーターなどのプログラミングをやったことが無かった人達が、プロ顔負けのゲームをつくって公開し、人気となっていることです。既にアプリを開発した我々の想像を超える作品がたくさんつくられるようになっています。

3つ目は、年齢関係なく実施しているコンテストの常勝トップクリエイターが小学生だという事実です。

筆者:今後の展開を教えてください。
中村俊介氏:誰もが気軽に映像を撮って編集して共有するようになったのと同じように、誰もが気軽にゲームをつくって共有して盛り上がることが当たり前に楽しめるようにしたいと考えています。いわば、ゲーム版のTikTokのような存在です。

現在、Springin’でつくることを楽しむだけではなく、作品のアウトプットの場を増やし、クリエイターが活躍できるようなしくみを準備中です。そしてゆくゆくはスプリンギンクリエイターが稼げるようにしたいと思っています。

筆者:ありがとうございました。

■なにができる? 実際にゲームを作ってみた
Springinʼは、創造的プログラミングアプリだ。プログラミングの知識が一切なくても、直感的な操作だけで、以下のようなゲームを作成することができる。
・コロコロゲーム
・シューティングゲーム
・ルーレット
・クイズ
・絵本 など

また、Springinʼで作った作品は、ほかのユーザーと共有でき、様々な人のゲームを楽しむこともできる。

早速、プログラミング初心者の筆者もゲーム作りを体験してみた。
Springinʼアプリは、iOS版とAndroid版が用意されており、いずれも無料だ。

Springinʼを初めて起動すると、タイトルのあとに「5分でわかる基本のチュートリアル」が表示される。
1つずつチュートリアルの課題をクリアすると、コインがもらえる仕組みだ。
コインは、マーケットで販売されているSpringin’で作られた作品を購入するときに使用することができる。

今回は、ボールがコロコロと転がる「コロコロゲーム」を、チュートリアルを参照しながら作成した。

1. アイテムを作成
作成するアイテムは、ニコニコマーク、棒、ゴールの旗の3つ。
てるてる坊主のお絵描きができる人なら、誰でも簡単に描けるだろう。


手描きでボールを描いてみた

2. アイテムを設置
課題のゲームは、ボールが坂道を転がり、ゴールにたどり着くというもの。
もうひとつのボール(ボールボタン)をタップすると、転がっているボールがジャンプする仕組みだ。
アイテムを配置するだけでよいので、苦労もなく簡単にできた。


ボールに重力を設定しているところ

3. アイテムに機能を設定
それぞれのアイテムをピンで固定したら、下方向に重力を設定する。
坂道を転がるボールには回転を設定し、ボールボタンにはジャンプを設定後、坂道を転がるボールに関連付けする。
再生ボタンを押すと、ボールが転がる。この間にボールボタンを押すと、ボールがジャンプした。ボールは見事にゴールまで到達した。


下にあるボールボタンを押すと、ボールがジャンプする

Springin’の魅力は、スマートフォンを使い直感的な操作だけでゲームが作れるところにある。

スマートフォンのチュートリアルもわかりやすい。
また入門書「はじめてのスプリンギン〜プログラミングを学んでゲームをつくろう〜」1,980円(税込)も発売されているので、書籍を参考にしながら学習することもできる。

子どもにプログラミングの学習をさせたい人や、これからプログラミングに挑戦した人にとって、Springin’を検討してみるのもよいだろう。

「Springin’(スプリンギン)」公式サイト

ITライフハック 関口哲司





提供(C)ライブドアニュース

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