武田薬品の乾癬治療薬「ザソシチニブ」、米FDAが優先審査品目として新薬承認申請を受理
武田薬品工業は2026年9月14日、中等症から重症の成人尋常性乾癬(プラーク乾癬)を対象とした経口チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬「ザソシチニブ(開発コード:TAK-279)」の新薬承認申請(NDA)について、米国食品医薬品局(FDA)から優先審査(Priority Review)品目として受理されたと発表した。
処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日(PDUFAデート)は、2027年第1四半期(1〜3月)に設定された。ザソシチニブに関しては、欧州医薬品庁(EMA)においても販売承認申請(MAA)が既に受理されている。
第3相試験で高い皮膚症状クリア率を示す
今回の申請は、世界21カ国で行われた2つの第3相臨床試験「LATITUDE PsO 3001試験」(被験者693名)および「LATITUDE PsO 3002試験」(被験者1,108名)のほか、長期的な安全性と有効性を検証するオープンラベル継続試験「LATITUDE PsO 3003試験」など、合計で約3,000名規模の臨床データに基づいている。
主要試験では、静的医師全般評価(sPGA)による指標において、投与16週時点で患者の約70%が皮膚病変の「消失」または「ほぼ消失」(sPGA 0/1)を達成した。具体的な達成率は、LATITUDE PsO 3001試験でザソシチニブ群が71%(プラセボ群11%、対照薬アプレミラスト群32%)、LATITUDE PsO 3002試験ではザソシチニブ群が69%(プラセボ群13%、アプレミラスト群30%)となり、両試験ともに主要評価項目および順位付けされたすべての副次評価項目を達成した。
臨床試験では、投与開始から4週時点ですでに皮膚症状の改善が確認され、その効果は24週および52週にわたって持続した。また、頭皮や爪、手掌・足底といった一般的に治療が難しいとされる高負荷部位においても良好な改善効果が示された。
安全性プロファイルと研究開発トップの見解
臨床試験において報告された主な有害事象は、上気道感染症(10.1%)、ざ瘡(6.5%)、鼻咽頭炎(6.2%)などであり、これまで知られていない新たな安全性シグナルは認められなかった。
武田薬品のリサーチ&ディベロップメント プレジデントを務めるアンディ・プランプ(Andy Plump)医学博士は、「乾癬治療が進歩しているにもかかわらず、頭皮など影響の大きい部位を含む多様で治療困難な症状に対応できる効果的な経口治療薬へのニーズは依然として存在する」と指摘した上で、「約3,000名の患者における結果に基づき、ザソシチニブは乾癬における主要な経口治療選択肢となる可能性を秘めている」とコメントを寄せた。
大型化期待の主力パイプライン
武田薬品は、本新薬承認申請の受理が2027年3月期の通期連結業績予想に与える影響は軽微であるとしている。
ザソシチニブは、同社が2023年に米ニンバス・セラピューティクスから買収した薬剤であり、乾癬をはじめとする自己免疫疾患分野における基幹パイプラインと位置付けられている。業界内では適応拡大を含めて将来的に年間数十億ドル規模の売り上げをもたらすブロックバスター候補として注目されており、FDAによる優先審査の進捗と承認の可否が焦点となる。
