技術・開発

低遅延ライブ配信プラットフォームを活用した水産物の参加型ライブコマースによる実証販売を開始- Net24ニュース

 全国漁業協同組合連合会(※1)(以下、JF全漁連)と、NTTコミュニケーションズ株式会社 (以下、NTT Com)は、双方が加入するJFライブコマース検討協議会(以下、協議会)の取組みとして、NTT Comの低遅延ライブ配信プラットフォーム「Smart vLive(R)」(※2)を活用したライブコマースによる水産物の実証販売(以下、本実証)を開始します。本実証は、水産庁の令和4年度バリューチェーン改善促進事業(※3)に採択されています。

1.背景

 日本における水産物の1人1年当たりの消費量は、ピークであった平成13年度の40.2kgから、令和2年度には23.4kgまで減少しており、その原因として消費者の食の志向や意識の変化が指摘されています。消費者が魚を購入する際、かつてのように鮮魚小売店で対面販売にて料理方法などの提案を受けながら購入するのではなく、スーパーに陳列されたものを自身で購入することが一般的となり、その結果調理方法がわからないなどの理由で水産物を敬遠してしまうことが一因として挙げられています。一方、コロナ禍で国民の健康志向が以前より高まっており、今後魚食中心の食生活が再注目される可能性も考えられます。

 このような背景から、協議会ではNTT Comの最新の情報通信技術を活用して消費者と生産者をダイレクトに繋ぐ新たな水産物販売の仕組みの構築を検討してきました。消費者と生産者をダイレクトに繋ぎ消費者からの質問などにリアルタイムに対応しながらライブ配信で新鮮な水産物を販売することで、国内における水産物の消費拡大を図ります。

2.概要

 本実証では、協議会メンバーの坊勢漁業協同組合 (以下、JF坊勢)が生産、同じく協議会メンバーの兵庫県漁業協同組合連合会 (以下、JF兵庫漁連)が加工・流通、JF全漁連が販売、NTT Comがシステム構築を担当し、兵庫県内の各漁港で水揚げされる水産物を直接インターネット上で実演販売します。水揚げされた新鮮な水産物の魅力を参加型のライブ配信で紹介し、配信後には紹介した海産物をECサイトで販売し視聴者にお届けします。

3.特徴

 ライブコマースでは実際に足を運ぶことなく、あたかも産地魚市場で買い物をするように商品の説明を聞き、チャット機能により生産者と対話をしながら買い物をすることができます。生産者は販売を通じて消費者のニーズを取り込むとともに、能動的な情報発信を行うことが可能です。

<ライブコマースの配信イメージ>

低遅延ライブ配信プラットフォームを活用した水産物の参加型ライブコマースによる実証販売を開始- Net24ニュース

4.ライブコマースの構成

 NTT Comが低遅延ライブ配信プラットフォーム「Smart vLive(R)」にチャット機能を付加した配信システムを提供します。一般的な動画配信と比較し遅延が非常に小さいため、ライブコマース配信の現場と映像、チャットとのズレがほとんど無く、配信側の出演者はそのズレを気にすることなく進行に専念できます。また、視聴する消費者もズレによる違和感を感じることなくライブコマースをお楽しみいただけます。

 また、NTTレゾナント株式会社が提供する「マルシェル by goo(R)」(※4)と連携しており商品をスムーズに購入いただけます。

<ライブコマースのイメージ>

5.実施スケジュール

 令和4年度は以下の3回を予定しています。

  第1回 1月14日(土)17:30 

                 予定商品:ぼうぜ鯖

                 生産:坊勢漁業協同組合(兵庫県姫路市家島町)

      第2回 1月28日(土)17:30

                 予定商品:香住ガニ

                 生産:但馬漁業協同組合(兵庫県美方郡香美町)

      第3回 2月4日(土)17:30 

                 予定商品:播磨灘産 一年牡蠣

                 生産:坊勢漁業協同組合(兵庫県姫路市家島町)

      ライブ配信は以下URLよりご覧ください。

  https://notice.jf-osakana.jp/  

6.今後について

 本実証における売上やアンケート・チャットデータの分析、オペレーションの実施状況などを踏まえ、本実証全体の効果や事業の持続可能性を検証し、次年度以降の事業化を目指します。

 また、本実証で実施するライブコマースのビジネスモデルを各県域の漁業協同組合連合会・漁業協同組合などに横展開することで、生産・加工・流通・販売のバリューチェーン全体における生産性の向上を図り、品質面・コスト面で競争力のある流通構造の確立と国産水産物の消費拡大を貢献します。

(※1): 全国漁業協同組合連合会は、漁業者でつくるJF (漁業協同組合)やJF連合会 (都道府県漁業協同組合連合会・信用漁業協同組合連合会)の全国団体です。JFの組合員である漁業者の経営を守り、豊かな海とより良い地域社会を次代に引き継ぐため、JFグループの全国団体として総合的に事業を行っています。

(※2):「Smart vLive(R)」の詳細は以下Webサイトをご覧ください。

           https://www.ntt.com/ smartvlive.html

(※3): 水産庁バリューチェーン改善促進事業とは、日本の漁業の成長産業化に向けて、品質面・コスト面等で競争力のある流通構造を確立するために、生産と加工・流通が連携してバリューチェーンの生産性を改善する取組について支援を行う水産庁の事業です。

           https://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/value_chain.html

水産庁「バリューチェーン改善促進事業」の令和4年度の公募選定結果は以下資料よりご確認ください。

           https://www.jfa.maff.go.jp/j/gyosei/supply/kekka/attach/pdf/index-7.pdf

※4: 「マルシェル by goo(R)」は以下URLよりご覧ください。 

           https://marchel.goo.ne.jp/

*「Smart vLive」はNTTコミュニケーションズ株式会社の登録商標です。

*「マルシェル」はNTTレゾナント株式会社の登録商標です。



出典:@Press

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