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イチローが語るMLB殿堂入り決定までの30分間:緊張と歓喜

イチローが語るMLB殿堂入り決定までの30分間:緊張と歓喜


シアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(51)が、2月7日に都内で開催された「セブン-イレブン・ジャパン×MLBパートナーシップ契約」記者発表会に特別ゲストとして登壇。アジア人として初めて米国野球殿堂入りを果たした際の貴重なエピソードを披露した。

殿堂入りについての質問に対し、イチロー氏は「よく『今、どんな気持ちですか?』と聞かれますが、私自身が喜ぶというよりも、皆さんに喜んでいただけたことがすごく嬉しかったですね」と、謙虚な姿勢を見せた。

殿堂入り決定の瞬間について、これまであまり語られてこなかった舞台裏を明かした。「電話が掛かってくるのが前提でした。ドラフト会議のように指名を待つような経験が無かったので、電話を待つことは今回が初めてでした。予定時刻から30分経過しても連絡がなければ、殿堂入りは叶わなかったと告げられていました。実際には15分ほどで連絡があったのですが、ここまで準備をしていて電話がなかったら格好がつかないな、という不安もありました」と、当時の緊張感を振り返った。

さらに、その歴史的な電話を受けた際の意外なエピソードも披露。「知らない番号からの着信です。僕の携帯ではなく、通訳さんの携帯でした。電話の向こうから『ハロー』と声が聞こえた時、『こんにちは』と返すのも違和感があるし、『イチローです』と名乗るのも奇妙な気がして。結局、『はい』と日本語で答えました」と語り、会場からは温かい笑いが起こった。

この特別な瞬間を、妻の弓子さんと共に迎えていたことも明かした。「妻もその場にいたんです。妻も僕と似ているところがあって、普段は感情表現を控えめにする人なのですが、あの時は思わず拍手して『おめでとう』と言ってくれました。そんなふうに感情を表に出す姿はとても珍しいと思いました。珍しいと表現したのは、あんな感じで感情を出すシーンをあまり見てこなかったからです。すごく嬉しかったです」と、夫婦で喜びを分かち合った様子を語った。

そして、「あとは、普段通り乾杯しました」と、変わらぬ日常の一コマで締めくくった。イチロー氏は、殿堂入りという歴史的な偉業を達成した瞬間を振り返りつつも、自身よりも周囲の喜びを大切にする姿勢を貫いた。貴重なエピソードの数々に、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていた。

▲ 米国野球殿堂入りの吉報に「結局『はい』と日本語で答えました」とイチロー氏





提供(C)ライブドアニュース

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