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2023年は5G SAと衛星通信だ! モバイル通信業界で期待される進化と… -ライブドア

2023年は5G SAと衛星通信だ! モバイル通信業界で期待される進化と… -ライブドア


●2023年のモバイル通信業界を占う
1月も後半となり、すっかりお正月気分も抜けた時期となりました。
モバイル通信業界でも1月17日(日本時間)にはAppleが新型MacBook ProやMac miniを発表するなど、新たな動きが始まっています。

2022年は通信料金プランの値下げ競争が落ち着いた一方で端末価格の高騰ばかりが目立った1年でした。
果たして2023年はどのような話題がモバイル業界を賑わせるのでしょうか。

これから普及する技術や現在のモバイル業界のトレンドから、進化と飛躍のキーワードを追いかけます。


2023年のモバイル業界はどうなる?

●5G SAの普及に期待
はじめに語っておくべきは5Gの行方でしょう。

2020年に始まった日本の5Gサービスは今年で3年目を迎えます。
主要都市圏以外に住む人でも、スマホのアンテナ表示に「5G」の文字がいつの間にか表示されるようになり、自宅や職場が5Gエリアとなったことを実感することが多くなったのではないでしょうか。

ようやく身近になりつつある5Gですが、その普及が進むにつれて、

「思ったよりも感動がない」
「想像していたような速度の速さは感じない」

このような印象を持つ人も少なくないようです。

現在地方都市やその周辺地域でエリア拡充が急がれている方式は、4G用の基幹設備(コア装置)を流用して5Gアンテナを設置しており、「5G NSA」(5G Non-Stand Alone)方式と呼ばれているものです。

基幹設備が4Gと変わらないため、速度的なメリットがあまり出せず、また5Gの長所の1つとされる「超低遅延」や「超多接続」といった性能を十分に引き出せません。

主要都市圏や全国の主要施設では、2022年頃から「5G SA」(5G Stand Alone)と呼ばれる、基幹設備から5G専用に切り替えられた5Gエリアが展開され始めています。

こちらの方式は「真の5G」とも呼ばれ、前述した超低遅延や超多接続といった恩恵を十分に受けられます。


NTTドコモが公開している5G SAの速度調査結果

通信各社が5Gの普及を急ぐあまりに5G NSAエリアの展開を優先したことで、人々の間に

「5Gはたいしたことなかった」
「別に5Gはいらなかったのでは?」

このような感想に至ってしまうのは非常に惜しい気がします。
2023年は5G SAエリアの展開を急ぎ、真に快適な5Gサービスの普及に期待したいところです。


ソフトバンク資料より。5Gのメリットの多くは5G SAでなければ発揮されない

●衛星通信の真価が問われる年
もう1つ、広域無線通信で期待と注目を集めているのが「衛星通信」です。
具体的には、米国SpaceXの衛星通信サービス「Starlink」の国内展開を指し、個人の場合ウェブサイト上から契約ができます。

国内の通信キャリアでは、KDDIがStarlinkの「認定STARLINKインテグレーター」を取得し、離島や山間部など光回線の敷設が難しい場所での無線基地局(4Gおよび5G用)のバックホール回線として活用するソリューションサービスを、法人・自治体向けに開始しています。


衛星通信なら真の意味で日本全国をエリアカバーできる

衛星通信には離島や山間部でも確実にエリア化できるというメリットがある一方で、

・光回線を基幹回線とする4Gおよび5Gのような通信速度は出せない(最大100〜200Mbps程度)
・コストが高く月額料金などが割高になる

このようなデメリットがあります。

しかしながら、Starlinkは1月13日に個人向けの月額料金やハードウェア代金を半額にするキャンペーンを開始しており、

・月額1万2300円 → 月額6600円
・ハードウェア代金7万3000円 → 3万6500円

このように一般的なモバイル通信料金に近い料金まで値下げされたことで、より契約しやすくなりました。

なお、この価格は期間限定とされていますが、終了時期は1月18日時点では設定されていません。


ハードウェアとは、衛星アンテナやWi-Fiルーターなどを指す

Starlinkは世界で100万契約を超えたとしており、日本でも新しい技術の導入に積極的なイノベーター層やアーリーアダプター層を中心に活用が始まっています。

設備代金や月額料金が下がることで普及はさらに加速すると見られ、法人や自治体でも地方を中心に導入が進むことが期待されます。

地上からは5G SAが。
宇宙からは衛星通信が。

2023年は、モバイル通信のさらなる進化を私たちが肌で感じられる年となることを願っています。

執筆 秋吉 健





提供(C)ライブドアニュース

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