Windowsの優れたスクリーンショットツール、Snipping Toolの活用性
Windowsパソコンの画面をキャプチャする機会は意外と多く、「PrintScreen(プリントスクリーン)」や「スクリーンショット」を利用している人も多い。
この方法はシンプルだが、より便利な機能を搭載しているWindows標準アプリ「Snipping Tool(スニッピングツール)」を使えば、作業はもっと快適になる。
Snipping Toolは、
・画面キャプチャの切り取る方法を選べる
・タイミングを遅らせてキャプチャできる
・画像だけでなく動画もキャプチャできる
このように、画面キャプチャの条件や内容の選択肢が多いのだ。
今回は、用途に合わせて自在にキャプチャできるSniping Toolを紹介する。
●単なる画面キャプチャツールではないSnipping Toolの4つの特徴
Snipping ToolはWindowsパソコンに表示された画面を、画像だけでなく動画としても保存できるアプリだ。
キーを使った操作のほか、マウスのみでも行える。
どんな特徴があるのか、主な4つの特徴を紹介しよう。
○切り取る領域を選択してキャプチャできる
画面キャプチャで切り取る領域は、PrintScreenと同様に、
「四角形モード」
「ウィンドウモード」
「全画面モード」
「自由領域モード」
この4種類から選択できる。
今まで全画面のキャプチャした画像をトリミングして加工するなど手間をかけていたところを、Snipping Toolを使えば一度で簡単に目的の画像をキャプチャできる。
〇画面を録画して動画を作成できる
スマートフォンでは画面録画は手軽にできるようになっている。
Windowsパソコンでは、Snipping Toolを使用することで、簡単にパソコン画面の録画ができる。画面録画する範囲を、マウスをドラッグして指定し、録画の開始と終了を指定すればよい。動画のみで音声は録画されないが、パソコンの操作を記録したいときなどに活用できる。
〇キャプチャした画像を編集できる
PrintScreenを使用してキャプチャをした場合、
画像はクリップボードにコピーされるだけなので、編集の際には「ペイント」などの別のアプリが必要となる。
しかし、Snipping Toolならキャプチャしてそのまま編集も行えるのだ。
画像への書き込みやサイズの変更などもでき、ペイントにはない「蛍光ペン」や「定規」などの機能もある。「ペイント」との差別化もされている。
○キャプチャの開始時間を遅延できる
全画面モード以外でキャプチャを実行すると、
キャプチャ領域を指定するための開始画面に切り替わる。
この開始画面までの待ち時間を「遅延切り取り」で設定できるのだ。
これによって、キャプチャ実行時に表示が消えてしまう右クリックメニューやスタートメニューなどのキャプチャも可能だ。
●目的に応じて使い分けられる4つの「切り取りモード」
Snipping Toolの画面キャプチャの基本となる、4つの切り取りモードについて簡単に紹介しておこう。
・全画面モード
全画面をキャプチャできる。
これはPrintScreenでキャプチャする領域と同じだ。しかし、Snipping Toolはキャプチャした後の画像編集まで一つのアプリで完結できるのが魅力だ。
・ウィンドウモード
任意のウィンドウをキャプチャできる。
このモードを選択した後、キャプチャするウィンドウを指定すればよい。ただし、ウィンドウを重ねて表示していると、上に重なっているウィンドウ部分は一緒にキャプチャされてしまうため注意が必要だ。
この例では、Excelの画面を指定したのだが、上に重なったメモ帳の画面もそのままキャプチャされてしまった。重ねた画面をキャプチャしたいときに役立つ。
・四角形モード
任意で指定した四角枠におさまっている画面をキャプチャできる。
モードを選択した後、キャプチャしたい範囲をマウスでドラッグして四角形で囲めばよい。
・自由領域(フリーフォーム)モード
キャプチャしたい画面を任意の形で囲んでキャプチャできる。
囲む形はマウスをドラッグして作成する。
以上がSnipping Toolの特徴と4つの切り取りモードだ。
続いて、Snipping Toolの画面キャプチャと動画キャプチャの方法を紹介していこう。
特徴を活用した方法を紹介するため、一連の流れの中で、便利な機能を使っていく。
まずは画面キャプチャの方法から紹介する。
●Snipping Toolならではの機能を使って画面をキャプチャする
Snipping Toolを起動して、画面をキャプチャ・編集・保存するまでの流れを紹介する。
Snipping Toolを起動したら、[切り取りモード]アイコンをクリックし、切り取り方を選択する(ここでは「四角形モード」を選択)。
次に[遅延切り取り]アイコンをクリックし、キャプチャ開始画面に切り替わる時間を設定する(ここでは「5秒遅延」を設定)。
キャプチャ方法の設定が完了したら、[新規]をクリックする。
キーボードの[Windowsロゴ]+[Shift]+[S]キーを押してもよい。
設定した5秒以内に、右クリックメニューを表示するなど、キャプチャしたい画面を整える。なお、遅延切り取りで「待ち時間なし」を選んだ場合は、[新規]をクリックするとすぐにキャプチャ開始画面に切り替わる。
5秒が経過したらキャプチャ開始画面に切り替わる。
今回は四角形モードを選択したため、マウスをドラッグしてキャプチャ範囲を囲んでキャプチャする。なお、切り取りモードで「全画面モード」を選んだ場合は、開始画面に切り替わらずにキャプチャが実行される。
Snipping Toolの画面に、キャプチャした画面が反映される。
ここで、ペンや定規などのツールを使用し画像を編集できる。たとえば、「蛍光ペン」と「定規」を使うと、蛍光ペンできれいな線引きが可能だ。
定規は角度や場所も自由に変えられる。定規上でマウスホイールを上に回すと時計回りに回転し、下に回すと反時計回りに回転する。マウスでドラッグすることで任意の場所に移動できる。
画像編集が完了したら、右上の[名前を付けて保存]アイコンをクリックする。
キャプチャした画像の保存が完了する。
●画面の動きを動画としてキャプチャする
画面を動画としてキャプチャ・編集・保存するまでの流れを紹介する。
Snipping Toolを起動したら、[録画]アイコンをクリックする。
[新規]をクリックすると開始画面が表示される。マウスドラッグして録画する領域を設定する。
録画する領域を設定したら、上部にある[スタート]をクリックする。
「3・2・1」とカウントダウンされ、録画がスタートする。領域内の画面の動きが録画される。
終了するには、上部に表示される赤い四角の[録画を停止]アイコンをクリックする。
キャプチャされた動画はSnipping Toolに反映されるので、右上の[名前を付けて保存]アイコンをクリックする。キャプチャした動画はMP4形式で保存される。
●「PrintScreen」キーにSnipping Toolを割り当てることもできる!
Snipping Toolは、目的に応じてPrintScreenと使い分けるのも手だが、使い慣れた「PrtSc」(PrintScreen)キーに割り当ててしまうこともできる。
Snipping Toolを起動している場合は、右上の[…]アイコンをクリックして「設定」を選択する。
「ショートカット」の「Windowsの設定の変更」をクリックする。
設定画面が開くので、「PrintScreenキーを使用してSnipping Toolを開く」をオンにする。
以降は「PrtSc」キーを押すと画面上部に切り取りモードを選択するアイコンが表示される。キャプチャを実行すると右下にポップアップ表示され、画像をクリックするとSnipping Toolが起動する。
従来のPrintScreenのように利用したいときは、ポップアップを無視すればOKだ。
キャプチャ画像はクリップボードにコピーされているので、貼り付けたいアプリに切り替えて貼り付けを実行すればよい。
PrintScreenでの操作は簡単だが、Snipping Toolはキャプチャをするときの自由度が高くなる。これまで別のアプリや機能を使って編集していたものをSnipping Toolなら一つで完結できることも増えるだろう。
Snipping Toolを取り入れて便利に活用してみてほしい。
執筆 いとう なぎ
提供(C)ライブドアニュース