通信障害や災害時には、副回線サービスとMVNOのどちらを緊急回線として選ぶべきか?


●いざという時のバックアップ!「副回線サービス」スタート
KDDIおよびソフトバンクから、それぞれの通信回線を2つめの回線としてサブ運用することができる「副回線サービス」が今春開始されました。

このサービスは通信障害や災害発生時の緊急回線として準備するためのもので、
2022年にKDDIが起こした大規模通信障害などが教訓となっています。

個人向けではKDDI・ソフトバンクともに月額429円で提供されるもので、

・データ容量500MB/月(送受信最大300kbps)
・500MBを超えた場合は送受信最大128kbps
・国内SMSは送信時3.3円(全角70文字まで)、受信無料

このような特徴があります。
通常の通信回線のオプションとして契約するものであり、契約可能なスマートフォンはデュアルSIM対応のものに限定されます。

さらにKDDIの場合は、
・キャリアブランドはauおよびUQ mobileで提供
・povoはサービス対象外
・契約可能なキャリアブランドはソフトバンク
・SIMの提供形態は物理SIMおよびeSIM

ソフトバンクの場合は、
・キャリアブランドはソフトバンクで提供
・YmobileおよびLINEMOはサービス対象外
・契約可能なキャリアブランドはau
・SIMの提供形態はeSIMのみ

このようになっており、それぞれの通信キャリアでの相互運用となっているのが特徴です。


副回線サービスはとても便利だがデメリットもある

各通信キャリアの公式Webサイトや電話窓口などで簡単な手続きのみで契約できるのが最大のメリットですが、
実は以下のようないくつかのデメリットもあります。

・メインとなる通信回線を解約すると副回線サービスも自動的に解約されてしまう
・副回線として利用できる通信キャリアが固定で選択できない
・KDDIとソフトバンク以外のユーザーは副回線サービスを利用できない
・料金が若干高い

月額429円というのは単体で見ればあまり大きくない金額ですが、それでも毎月のコストと考えるとそれなりに痛い出費です。

例えばソフトバンクユーザーであれば、
副回線サービスを契約せずにKDDIの「povo2.0」を契約し、月額0円での運用も可能ですが、こちらは180日以内に有料トッピングの利用がないと契約が自動的に解除されてしまう可能性があります。そのため定期的に利用するようなこまめな管理が求められ、長期間放置してしまうような人にはオススメできません。


povo2.0は月額0円で始められて便利だが自動解約のリスクを正しく管理できる人向けという印象だ

●緊急時用回線をもっと安く!MVNO利用のススメ
そこでオススメしたいのは、MVNOの格安プランを利用するという方法です。
MVNOの料金プランでは月額500円以下のプランも増え始めており、緊急回線用として非常に適したプランも出始めています。

「mineo」が2月に提供を開始した「マイそくスーパーライト」を例に取り、MVNOを副回線として運用するメリットを簡単に解説します。


MVNOを活用して賢く低コストで副回線運用しよう!

マイそくスーパーライトは、

・月額250円
・データ容量無制限(送受信最大32kbps)

このように基本的に音声通話のみに特化した料金プランです。
データ通信を利用したい場合には、オプションの「24時間データ使い放題」を使用したい時だけ1回198円で購入することができます。
このため普段は最低コストで維持しながら、
「使いたい時だけ課金する」
こうした賢い運用が可能なのです。

また、マイそくスーパーライトでは通信網としてNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアに対応しているため、

・KDDIおよびソフトバンクユーザーが副回線としてNTTドコモを選びたい場合
・KDDIおよびソフトバンクユーザー以外が副回線を契約したい場合

こういった状況に柔軟に対応できます。
とくに、NTTドコモや楽天モバイルといった通信キャリアを契約しているユーザーの場合、副回線は運用コストや管理の手間などを考慮すると必然的にMVNOを利用することになります。


NTTドコモにはまだ副回線サービスがない

MVNO回線であれば、povo 2.0のように回線未使用期間が長くなった場合に自動解約されるリスクもありません。
またプラン変更や通信キャリアの乗り換えも自由であるため、より条件の良い料金プランや通信サービスが出てきた場合にすぐに乗り換えることができます。

普段は利用しない緊急時専用の副回線であるがゆえに、通信速度や通信の安定性よりも運用コストや管理の手間のほうが優先されます。

これまでは契約に若干の手間がかかることがデメリットとされてきましたが、
NTTドコモのahamoやKDDIのpovo2.0のようなオンライン契約専用プランが登場している今、オンライン契約が主体であるMVNOへの抵抗感もかなり少なくなっていると思います。

また、APNという設定を行う必要がある点がMVNOのデメリットの1つ(難しいと言われる理由の1つ)とされてきましたが、
KDDIやソフトバンクの副回線サービスでもAPN設定を行う必要があるため、この点はデメリットになり得ません。


KDDIの副回線サービスの公式案内より。APN設定の手間だけは副回線サービスでもMVNOでも必要になる

MVNOの場合、自分に合った料金プランや通信サービスを探さなければいけないという手間が最大のデメリットになるかもしれません。

通信サービスを探す手間を取るのか、
それともランニングコストの安さを取るのか。

副回線サービスとMVNOは、それぞれの特徴をしっかりと把握した上で検討したいですね。

執筆 秋吉 健





提供(C)ライブドアニュース

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