今からでも空撮デビューできる? ドローンライフへ最新の基礎知識 -ライブドア
ドローンの登場で、ひと昔前まではヘリコプターや小型の航空機がなければ不可能だったダイナミックな「空撮」が、一般の人でも手軽にできるようになった。
しかし、個人でも扱えるドローンの登場で、トラブルが多発している。
法律による規制は厳しくなっており、ビジネスや個人でドローンを楽しむには、法規制を理解する必要がある。
そこで今回は、ビジネスにドローンを活用したい人だけでなく、子供と一緒に空撮を楽しみたい人にも役に立つ、ドローンの基礎知識をまとめてみた。
■ドローンの特徴
ドローンは、
・民生用ドローン
・トイドローン
この2種類に大別される。
〇民生用ドローン
200g以上のドローンは「民生用ドローン」と言われ、主にビジネス用途に使用される。
各社から民生ドローンが販売されているが、DJI(ディージェイアイ)が最大手といってよいだろう。
民生用と聞くと大型のドローンを思い浮かべる人がいるかもしれないが、現在では選択肢が広がってきており、折りたたむと片手で持てるサイズのコンパクトな民生用ドローンも販売されている。
民生用ドローン(DJI公式サイト)
〇トイドローン
200g未満のドローンは「トイドローン」と呼ばれている。ネット通販はもちろん、玩具店でも購入できる。アマゾンでは3,000円台から販売されている。
トイドローン(バンダイ公式サイト)
なお、令和4年6月20日からは、規制が強化され、
・民生用ドローン 100g以上のドローン
・トイドローン 100g未満のドローン
このようになる。
■ドローン購入時のチェックポイント
大きなチェックポイントは、
・撮影能力
・ジンバル
この2つだ。
〇撮影能力
カメラの性能は、イメージセンサーやレンズの焦点距離(撮影画角)、記録できる画質などで決定する。
とくにセンサーサイズが大きいほど高精細な写真を撮影できる。
あとから部分的に映像を拡大しても、ある程度までなら映像があらくならない。
焦点距離は、数字が小さいほど、広い範囲を撮影できる。
カメラの性能が高くなれば、価格も高くなる傾向にある。
ひとつの目安として、現状は1920×1080ドットのフルHD以上の解像度があれば十分だろう。
予算が許すなら、3840×2160ドットの4Kの解像度があると、高精細な映像を要求する仕事でも十分にパフォーマンスを発揮してくれるだろう。
〇ジンバル
カメラの回転台のことで、振動による撮影のブレを補正する機能だ。
■安全性確保を確保するためのドローンの法律
ドローンに適用される法律は、
・航空法(昭和27年法律第231号)
・重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成28年法律第9号。以下「小型無人機等飛行禁止法」「ドローン飛行禁止法」)
この2つの法律は、確認しておく必要がある。
同法律が適用されるドローンは、
・航空法 民生ドローン
・ドローン飛行禁止法 民生ドローン、トイドローンの両方
〇航空法
簡単にいうと「飛行禁止区域では、ドローンを飛ばせない」という法律だ。
・空港等の周辺の空域
・地表又は水面から150メートル以上の高さの空域
・人口集中地区等の上空
都内ではほとんどの地域が「人口集中地区等の上空」に該当する。
人口集中地区を調べるには、電子国土Webの地理院地図で、
トップ > その他 > 他機関の情報 > 人口集中地区 令和2年(総務省統計局)
なお、航空法で飛行が禁止される空域でも、航空局の許可が下りれば、飛行が可能だ。
電子国土Webの地理院地図。赤いエリアが人口集中地区にあたる
〇ドローン飛行禁止法
「該当者は、ドローンを飛ばせない」という法律であり、違反すると厳しく罰せられる。
具体的には、
・対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者
・小型無人機等飛行禁止法第11条第1項に基づく警察官の命令に違反した者
これらの該当者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 に処せられる。
たとえば、東京都は都立公園と庭園 計81箇所で、ドローンの飛行を禁止している。
■ドローンの飛行ライセンス
現在のところ、ドローンの国家ライセンスはないが、国土交通省が認めた民間団体の飛行ライセンスであれば、航空局への飛行許可申請に必要な「10時間以上の飛行経験」が免除される。
なお、ドローンの国家ライセンスの施行に向けて、
2022年4月20日、「レベル4飛行の実現に向けた新たな制度整備等」についての新たな発表があった。
ドローンの登録制度が2022年6月20日から義務化される。
自動車のように、ドローンの機体が誰のものであるかを登録するわけだ。
またトイドローンの重量が200g未満から100g未満に変更される。
ドローンの修理費用を補填できる「損害保険」
ドローンの修理費用は、ドローンの所有者がもっとも気になるところだろう。
ドローンは空を飛ぶため、墜落時には故障する可能性が高い。
東京海上日動火災保険株式会社では、
「ドローン保険」と呼ばれる、
・機体保険
・賠償責任保険
この2つの保険を開始した。
〇機体保険
ドローンの機体に対する保険だ。
主な補償事例は、
・操作ミスによる破損(賠償は対象外)
・火災や落雷(地震は対象外)
・水濡れや水没(水没の場合も機体やカメラの回収が必要)
・盗難
・代替品レンタル費用(スタンダード・海外プランのみ)
・国外での破損(海外プランのみ)
このようにかなり手厚い内容となっている。
原則として機体の回収が必要であること、法人または個人事業主(日本国内所在)に限られる。
〇賠償責任保険
第三者に損害を与えたとき、その補償をサポートするための保険だ。
主な補償事例は、
・対人賠償
・対物賠償
・人格権侵害
いずれも保険なしでは、高額な補償が必要となるだろう。
保険料は、ドローンの機体やプランにより異なる。
DJI Mavic 2 Pro ライトプランの場合、
・機体保険 1万3,070円(税込)/年
・賠償責任保険 7,350円(税込)/年
両方あわせて、1カ月あたり1,702円(税込)となる。
民生用ドローンは、たとえば、
・DJI Mini 3 Pro 10万6,700円(税込)
と、10万円以上の機体が多いため、決して高い保険料ではない。
東京海上日動火災保険株式会社のドローン保険は、機体保険と賠償責任保険の2種類が用意されている。
現在のドローンは、ベースとなるドローンがあって、分野に合わせてカスタマイズするケースが多い。ドローンビジネスの市場は大きく拡大が予測されることから、ドローンは今後、農薬散布、点検、物流、測量など用途に合わせて、様々な種類の産業用機体が登場してくるだろう。
・電子国土Webの地理院地図
・小型無人機等飛行禁止法関係 – 警察庁
ITライフハック 関口哲司
提供(C)ライブドアニュース