社会

お墓参りは、コロナ禍でここまで変わった! 代行やVRから引越まであるニューノーマル時代のお墓事情 -ライブドア



新型コロナウイルス感染症は、我々の生活様式を大きく変えた。
リモートワークを実施する企業も増えており、自宅で仕事をするのが当たり前になった人も多い。

こうした状況の中、「墓参り」も大きくかわりつつある。

今回、墓のエキスパートである一般社団法人 全国優良石材店の会と、株式会社のうこつぼに、ニューノーマル時代の墓参りについて聞いた。

■本人の代わりに墓に行ってくれる「墓参り代行サービス」
全国優良石材店の会は、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛の広がりから、命日や月参りの「墓参り代行サービス」や「VRお墓参り」を提供している。
実は墓参りの代行サービスは他社にもあり、参入する企業も増えている。

たとえば、タクシー会社の第一交通産業は「はかサポ」というサービスのなかで墓参り代行サービスを提供している。
墓参り代行サービスは、「墓が遠くてなかなか行けない」「忙しくて墓参りに行けない」「高齢のために行けない」という人に便利なサービスだ。


墓参り代行サービスは、墓に行きたくても行けない人に便利なサービスだ。

料金は、次のとおり。
・墓参り代行サービス 距離制運賃+5,000円
・墓参り同行サービス 距離制運賃+3,000円

■自宅で墓参りができる「VRお墓参り」
全国優良石材店の会の「VRお墓参り」とは、どういったサービスなのだろう。

全国優良石材店の会は、全国約300社の優良石材店で組織されている墓石業の専門店グループ。1983年の創設以来、供養の心と墓を大切にする「お墓大切社会」の形成を目的とし、墓づくりを「心の福祉産業」としてさまざまな活動を展開してきた。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、命日や月参りができないなど、相談を受けることが多くなった。昨年8月のお盆休みも、学校の夏休みが通常より短くなり、今まで通り帰省を自粛する人も多かったことから、VRお墓参りを開始したという。


360度カメラで撮影した映像がVRゴーグルで見られる

サービスの内容は、
・プロの石材店スタッフが360度カメラで墓の様子を撮影する
・線香や花、供え物など、墓参りを代行
・VR機材を発送
・撮影データはメールやSNSで送信
・利用者はスマホとVRゴーグルを使って墓参りを疑似体験する

VRお墓参りでは、利用者は専用ゴーグルを装着して、墓参りに訪れているような体験ができる。
実際に墓のある現地まで移動する必要がなく、場所や時間にとらわれないのが大きなメリットだ。


VRゴーグルを装着して、墓参りをしている様子

全国優良石材店の会 会長 吉田岳氏
「『お墓参りに行きたいけど行けない。』そういう声が全国から多数寄せられております。お墓参りとは、お墓に眠る大切なご家族に会いにいくことですから、人によっては、心を癒し、残された家族の絆を深める場でもあるわけです。コロナ禍によって、そうした機会を奪われておられる方のご心痛やストレスを少しでも和らげるお手伝いがしたい、そうした想いから、今回のサービスを実施させていただきました。

コロナ終息後も、ご高齢やご病気、遠方にお住まいなどの理由で、お墓参りに行くのが難しい方に対してサービスを継続して参りたいと考えております。お墓のプロである石材店が心を込めて、お客様の代わりにお掃除やお墓参りをさせていただきますので、安心してお任せください。」


全国優良石材店の会 会長 吉田岳氏

<VRお墓参りサービス>
提供店舗:一部認定店にて提供
サービス内容:墓参りの代行をVR動画で疑似体験
価格:2万7,500円(税込)〜

■引越しできる墓「のうこつぼ」
緊急事態宣言により、他府県に行けなくなった人もいるだろう。また墓参りのために帰省する人のなかには、移動時間に加え、数十万円の出費を要することもあるという。のうこつぼは、そうした人に向けて引越しができる墓「のうこつぼ」というサービスを提供している。

のうこつぼは、寺に設置されるマンション型の遺骨を納める集合型の墓だ。1つののうこつぼに複数の家系の遺骨を納める様式をとり、寺が管理する。家庭が引っ越した際にのうこつぼが設置されている寺であれば、容易に墓の引っ越しができるとして注目されているという。墓参りに行くのではなく、墓を近くに持ってくるという考え方だ。

のうこつぼのポイントは、
・価格が安い
・マッチングが快適
・寺の収入源を確保
この3つだ。

価格は都内であっても、従来の墓の5分の1の一檀49万8,000円(税別)という価格から、個別墓を持つことができる。マンションのような集合型であり、寺の屋外に設置された従来の墓のスタイルに近いスタイルだ。

のうこつぼは2021年2月時点で、日本国内165カ所の寺と、ハワイ(ホノルル)シティ記念公園内に集合型の墓の建設提携している。利用者は全国各地にある約3300部屋の墓の中から、自宅に近い寺を選択して永代供養墓を持つことができる。寺にとっても収入を確保できる。


ホノルル・シティ記念公園の「のうこつぼ」

のうこつぼを導入した信法寺の住職の代表役員 大谷慈通氏
「昔と現代でお墓事情が変化したというよりも、地方から移住している団塊世代は核家族であるので、お墓に対する思いが先祖代々というよりは、『自分たちが入るお墓』という考えになっています。もともとこの地に先祖代々住む人たちのお墓に対する考えは昔とそれほど変化はないと思います。

また、核家族化、少子高齢化により“先祖代々の墓を持つこと”や“それらを護ること”が 困難になってきています。そういった背景の中、子孫に迷惑をかけたくないという団塊世代全般に渡る考えが、新しく墓地を求めることに対する不安に繋がり、墓離れを助長していると考えています。実際にここ数年、従来の墓地の申し込みは激減しており、『のうこつぼ』のようなお墓があればと思っていました。

『のうこつぼ』は寺の墓地であること、ひとりでも入れること、合祀ではない永代供養であることが檀家の方々に受け入れられ、希望する方も増えてきています。

従来型墓地未満、永代供養墓以上、つまり大きなお墓は護っていけないけれども永代供養墓のような合祀に抵抗がある、という方の需要にも非常に合致していたので、『のうこつぼ』建設後は新しく檀家になる方への提案の幅も非常に広がったと感じています。」

のうこつぼは今後、のうこつぼを設置する地域を拡大していくとしている。


のうこつぼの前に立つ、信法寺の住職の代表役員 大谷慈通氏

霊園や納骨堂などの施設では、3密を避けて墓参りをすることが難しい。墓参り代行サービスやVRお墓参りなら外出の必要がないし、のうこつぼであれば短時間で効率的に墓参りができる。
新型コロナウイルス感染症の影響により墓参りに悩んでいる人は、墓参りを見直す良い機会かもしれない。

・お墓参りサポートタクシー | 第一交通産業グループ
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・のうこつぼ

ITライフハック 関口哲司





提供(C)ライブドアニュース

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