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自律走行ロボット「RICE」がエレベーターに乗ってコンビニ商品をオフィスに配送! スマートビルシステム連携で生み出される近未来 -ライブドア


自律走行ロボット「RICE」がエレベーターに乗ってコンビニ商品をオフィスに配送! スマートビルシステム連携で生み出される近未来

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●本格化する自律走行型配送ロボット「RICE」の実証実験
セブンイレブン、アスラテック、ソフトバンクの3社は4月20日、配送ロボット「RICE」(ライス)を使用し、セブンイレブンの商品をオフィスへ配送する実証実験を本格的に開始しました。

「RICE」はアスラテックが開発した自律走行型配送ロボットで、お弁当や飲み物など、小さめの商品の運搬に適したサイズとなっています。
今回の実証実験は三菱電機および東急不動産協力のもと、ソフトバンク本社が入居する「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」にて行われています。

RICEを使用した商品配送の実証実験は、これまでも今年1月から行われていましたが、今回はエレベーターを使用した別フロアへの配送実験へステップアップしました。

セブンイレブンは近年、より高い利便性と便利なサービスの実現に向けた取り組みを推進していますが、本実証実験もその一環として行われています。

将来のコンビニエンスストアの形態や商品販売のあり方は、一体どのようなものになるのでしょうか?


自律型ロボットとともに暮らす時代へ

●フロアをまたぐ配送も実現するスマートビルシステム
RICEの利用はスマートフォンアプリで行われます。
アプリ上で商品を選択・購入すると、コンビニエンスストアの店舗に情報が送信され、RICEに商品が積載され、配送が開始されます。

RICEの商品配送が開始されると、注文したユーザーに暗証番号が通知され、到着したRICEに暗証番号を入力することで商品を受け取れるという仕組みです。

現在のところRICEには冷蔵・保温機能がないため、温めたお弁当やアイスなどは配送に適していないとのことですが、今後の実験結果やユーザーからの要望に合わせ、さまざまな配送ロボットを検討していきたいとしています。


商品の積載は店舗にて店員が行う


利用にはあらかじめユーザー登録が必要。登録した電話番号のスマートフォンに暗証番号が通知される

今回、RICEがビルのフロアを超えた移動をして配送を行えるようになった背景には、エレベーター管理システムとの緻密な連携があります。

三菱電機はスマートシティおよびスマートビル向けIoTプラットフォーム「Ville-Feuille」(ヴィルフィーユ)を販売・展開しており、RICEはこのヴィルフィーユとの連携によってフロア移動を可能にしています。

具体的には、
・RICEに配送情報が届くと館内のエレベーターシステムが連動
・RICE専用エレベーターとして動作するモードに切り替わる
これによって、ほかのエレベーター利用者と干渉せずに、RICEは専用化されたエレベーターを利用してフロア移動が可能となります。

現在は、エレベーターが一般利用者用で動作しているのか、それともRICE用で動作しているのかを判別するための情報の表示などが行われていませんが、実用化する場合はエレベーターの状態情報の表示方法なども必要に応じて検討していくとのことです。


自走ロボットがエレベーターを使用して商品を配送する時代が来た


RICEの位置情報や運用状況はPCアプリで逐次確認・制御される

●ロボットと開拓するニューノーマルな社会
RICEの自律走行には、ビル内で利用しづらいGPSではなくLiDARセンサーや超音波センサーが用いられています。
商品の配送だけではなく、充電ステーションへのドッキングも単独で行うことが可能なため、人の手をわずらわせない自律性の高さが特徴です。


充電ステーションはコンビニエンスストア前の通路などに設置される

フロア移動が可能になったとはいえ、現在のシステムには課題もまだあります。
・複数ユーザーによる注文/配送があった場合、盗難対策をどうするのか
・ロボットによるエレベーター利用が増加した場合、人の利用に支障をきたさないか

しかしながらコロナ禍が長期化する中、今後のニューノーマルな生活や働き方の改革において、人の移動や密集、手間の軽減とともに、効率化や利便性を高める必要はますます高くなります。

こうした今後のニューノーマルな社会生活に対応していく解決策として、配送ロボット活用への期待が大きくなっていくものと予想されます。

ニューノーマルの社会を目指して生まれた東京ポートシティ竹芝から、また1つ新しい技術とアイデアが実現しようとしています。

執筆 秋吉 健



提供(C)ライブドアニュース

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