分散型サーバーネットワーク技術を使ったアプリ「Kizuna」を発表
一般社団法人日本ホロチェーン協会(東京都品川区)では、ホロチェーン(Holochain)技術を使った、国産初の新しいメッセージングアプリ「Kizuna」を発表した。このホロチェーン(Holochain)は、欧米ではポストブロックチェーンといわれる分散型ネットワーク技術である。 現在、Campfireにて、クラウドファンディングをおこなっており、支援額は1,000円から、最高支援額は、分散型サーバーとなる「Holoport+」他をリターン内容とする500,000円となっている。
ホロチェーンで作られる「Kizuna」
先日、米国の通貨監督庁のトップであるブライアン・ブルックス氏が「分散型ネットワークは、どのような種類の集中型構造より安価、高速、復元力がある」と発言したように、分散型ネットワーク技術に注目が集まっています。
日本ホロチェーン協会では、「通信の秘密」という概念に再度立ち返り、研究を重ねHolochainが真の安全・安心を目指した理想のサービスを実現できるアーキテクチャ(OSの一部のようなもの)であると共に、サーバーの設計思想にピボットを促すような革命的なビジネスモデルであると確信を得、ホロチェーン(Holochain)技術を使った、国産初の新しいメッセージングアプリ「Kizuna」を開発しています。
ホロチェーン(Holochain)って何?
仮想通貨の基礎技術などで、ブロックチェーン(Blockchain)という言葉は聞いたことがあると思います。日本銀行や大手都市銀行等でも莫大な予算を投じて研究され、その成果が各行ホームページにて解説されている程ですが、そのブロックチェーンの次世代技術と欧米では称されているものがホロチェーン(Holochain)です。このホロチェーンを基幹技術として採用しメッセージングアプリ「Kizuna」を創り、真の安全・安心を目指した理想のサービスを世界に展開したいと我々は考えています。
ホロチェーンについて詳しく知りたい方は、
日本ホロチェーン協会HP https://www.hcij.org/
株式会社YumevilleHP https://www.yumeville.com/holochain/
をご覧ください。
分散型サーバー技術とHoloPort
Holochain財団が運営するHoloクラウドホスティングサービスのインフラの一部をなす分散型サーバーの筐体を、HoloPortといいます。
形状は写真のような小さなボックス型で、高機能なネットワーク機器としてHolochainアーキテクチャの技術が搭載されています。
HoloPort所有者は、対応アプリをリリースするソフト会社に対してサーバとしてHoloPortを貸し出す行為、いわゆるホスティングサービスを提供することになります。
どのようなタイプのサーバーでも、100%の稼働率を期待することはできない。(Arthur Brock)
Holo及びHolochainの創設者であるArthur Brock氏は、HoloPortの優位性を従来の中央集権型サーバーと比較しつつ、下記のように説明します。
「どのようなタイプのサーバーでも、100%の稼働率を期待することはできません。複数の電力網に接続され、バックアップバッテリーや発電機を持ち、複数のインターネットバックボーンに接続されている大規模データセンターのサーバーでさえも停電に見舞われます。
HoloPortの所有者は中央集権型データセンターよりもはるかに低い冗長性(同じデータが何回バックアップされているか)レベルになることを我々は理解しています。
そのため、Holoは保守的に考えて、90%の稼働率を想定して設計されており、全体的に従来のデータセンターにも勝る非常に高いSLA(サービス品質保証)を実現するように作られています。
90%の稼働率とは、10日に1日、つまり月に3日しかダウンしないことを意味します。
ほとんどの人は、家に置いているHoloPortでもこれを確実に上回ることができます(おそらく平均では98%の稼働率を保てるでしょう)。何千ものHoloPortを使用してアプリをホストする高稼働率のHolochainアプリを例に考えてみましょう。
Holoホスティングサービスにログインする前に、読み取り専用モードでアプリにアクセスしているユーザーは、何千ものホストのすべてにアクセスすることができます。
つまりこの場合、アプリへの基本的なアクセスは、99.99999999999…% [1000個の9]なのです。
また、ソースチェーン(各ユーザーの個人的なプライベートデータの集まり)をホストしたい方には、Holoはそのホストの稼働率が90%であることを契約上要求し、各ユーザーのソースチェーンは常に5台のHoloPortによってホストされます。
つまり、5台ずつのHoloPortを持つソースチェーンでは、ソースチェーンへの読み取りアクセスのアップタイムは99.999%になります。
書き込みアクセスのためには、5つのHoloPortのうち、3つのHoloPortがオンラインである必要がありますが、これはつまり、98.6%の書き込み可用性が保証されるということです。(そして、個々のホストの稼働率が98%の場合はその確率が99.999%になります)
そして、Holo は5台のホストが各ユーザーのプライベートデータを維持し続けられるように構成されています。
つまり、HoloPortが長時間オフラインになった場合、Holo はソースチェーンのためにオフラインになったHoloPortの代わりとなる他のHoloPortを探し始めるゼロダウンタイム機能を有しています。
これはつまり、各ユーザーが個人的なプライベートデータを読みたい場合は99.999%の確率でそれが可能であり、プライベートなデータを書き込みたい場合も98.6%の確率でそれが可能なのです。
そしてこれはユーザー一人における話で、全体としてみると一人のユーザーがアクセスできないことが仮に起きても、他のユーザーは問題なく動いているということです。
つまり、Holoホスティングサービスでは、従来の中央集権型クラウドサーバーで起こりうる、すべてのユーザーがサーバーにアクセスできないというは事実上起こりえないのです。」
「Kizuna」を作るのはだれ?
日本ホロチェーン協会設立の中心メンバーとしてHolochain財団からの信頼も厚い、技術畑の責任者(技術参与)の佐藤龍弥、そして、この彼が代表取締役を務める株式会社Yumevilleを中心に開発しています。
佐藤龍弥は、学生時代から金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック、特にBlockchainに知見を有し、現在は世界のHolochainコミュニティから多くの各国代表技術者が集まる開発者向けキャンプではリーダーとして技術講師の任にもあり、また、Holochainの技術者向けのブログであるデベロッパーパルスの日本語への翻訳や、Holochainアプリ(hApps)開発でのベストプラクティスについてのブログも展開しています。
佐藤龍弥のプロフィールリンク
GitHub – https://github.com/tatssato
Holochainフォーラム – https://forum.holochain.org/u/tats_sato/summary
出典:@Press