ブータン、世界初の「ブロックチェーン型デジタルノマドビザ」をソラナ上で開始
ブータン王国は、ブロックチェーン技術を活用した世界初のデジタルノマド向けビザ制度を正式に立ち上げた。
申請者は、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上で発行される金裏付けトークン「TER」を一定額デポジットすることがビザ取得の条件となる。
この新制度は、ゲレフ・マインドフルネス・シティ庁がノマド向けサービス企業NomadClubと連携して運営し、世界中のリモートワーカーやフリーランサーをブータンに呼び込む狙いがある。
申請者は年間2,800ドルの手数料に加え、1万ドル相当のTERトークンをDK Bank経由で預け入れる必要があり、このデポジットはプログラム終了時に全額返金される仕組みだ。
金に裏付けられた主権トークン「TER」
TERは、ブータン政府系機関が発行する主権トークンで、1トークンあたり0.01グラムの純金に裏付けられている。
実物の金は監査済みの保管庫で管理され、DK Bankがカストディアンとして担保資産を保管することで、暗号資産特有の価格変動リスクを抑えた安定的な価値保存手段となっている。
TERはソラナ上で発行されており、高速かつ低コスト、環境負荷の低いトランザクションを実現している。
ブータンのデジタルノマドビザでは、このTERをビザ制度の中核に組み込むことで、「居住権」と「トークン化された実物資産」を直接リンクさせる前例のないモデルを打ち出した。
ブータンのデジタル戦略とビザの位置づけ
ブータンはこれまでも、観光決済への暗号資産導入やブロックチェーンインフラの活用など、段階的にデジタル経済戦略を進めてきた。
今回のビザ制度は、そうした政策の延長線上にある「実験的サンドボックス」と位置づけられ、主にテクノロジー、サステナビリティ、イノベーション分野の専門職をターゲットとしている。
制度の特徴として、最低年収要件や滞在日数のノルマがなく、12か月のビザを基礎として延長も可能という柔軟な設計が挙げられる。
一方で、山岳地帯ならではのインフラや通信環境がリモートワーカーのニーズにどこまで応えられるかは、今後の重要な検証ポイントとなる。
主なポイント
- 世界初:政府発行の金裏付けトークンTERをデポジット条件とするデジタルノマドビザ。
- ブロックチェーン基盤:高速・低コストのソラナ上でビザ管理とトークン運用を実装。
- 金に裏付け:TERは0.01グラムの金にペッグされ、DK Bankが保管して価格安定性を確保。
- 申請条件:年会費2,800ドル+1万ドル相当のTERを預託、デポジットは退去時に返金。
- ねらい:ブロックチェーンと主権トークンを活用し、経済開発と「グローバル人材誘致」を同時に進める新しいビザモデル。
