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大量の一時解雇の背後 – Pudu Robotics は深刻な財政危機に直面する

Pudu Robotics (または “Pudu Technology”/深圳市普渡科技有限公司)は、配膳ロボットで知られる中国企業で、最近、大量の一時解雇を行なったことが報告されています。

「私たちは生き残るために、事業と社員数を削減することにしました。これは困難な決定です。」と、Pudu Robotics の創立者であり最高経営責任者の張濤(Zhang Tao)は、7月4日に社員に流出したメールに書きました。

張濤Zhang Taoにより送信され、Pudu の社員に流出したメール

実のところ、これは今年の初め以来、Pudu が行なった二番目に大規模な一時解雇です。数ヶ月前に行われた最初の一時解雇では、 1/3 の労働力が削減されました。しかし、この社員数の削減は、企業を危機から救うものとはなりませんでした。それから半年以内に、Pudu の経営者は、別の大量一時解雇を行わなければなりませんでした。解雇された社員が明らかにしたところによると、今回最も影響を受けた部門は、研究開発、製造、およびサービスです。

これほどまでの企業の急激な悪化を、誰も予想しなかったことでしょう。2021年9月、 Pudu Robotics は、10億中国元(CNY)という莫大な資金を確実にする、第二回シリーズC 投資ラウンドの完了を祝いました。しかし、1年以内に、企業はこの大量一時解雇につながる、一連の問題に直面しました。Pudu に何が起きたのでしょうか?

深刻な財政危機

Pudu Robotics は、昨年末に最高経営責任者がライブストリーミング会議で、当社の”経営のやりくりが非常に困難である”と認めていたように、2021年末以来、財政危機に直面しています。業界動向予測によると、Pudu が新たな財政援助を得ることができなければ、企業は3ヶ月以内で破産してしまうということです。複数の情報源によると、最高経営責任者の戦略上の失敗と非倫理的な行動は、投資者の信用や信頼を失うことにつながりました。Pudu Robotics の資本市場での前途は、悲観的なものです。

様々なソーシャルネットワークのプラットフォームで、元社員が明らかにしているところによると、中国の労働法に応じて、解雇された社員の埋め合わせを行うことができなかったということです。多くの社員は、正当に補償されることなく解雇され、労働仲裁を行う必要がありました。

2022年の初め以来明らかにされた、業界サプライチェーンによる情報によると、Pudu の注文量と支払金額は”ひどく少ない”ということです。供給者に多額の借金があり、支払いを行うことができず、それは生産能力の混乱と機能不全を引き起こしました。 それゆえ、Pudu のサプライチェーンは崩壊の危機にあり、支払い問題に関して供給者との争議に巻き込まれています。

そのような状況下で、Pudu の経営チームは、大規模な作業停止を行うことにしました。 流出した、Pudu の人事部からスタッフへのメールの中で、次のように述べられていました。 “事業費を節約し生産性を改善するため、社員の一部に対して作業停止を行います。作業停止の対象となる社員のリスト、その期間の支払いまた仕事の再開の時期に関しては、個別に通知されます。作業停止の間、作業を行う必要がないので、活勘定に対応するシステムの許可は一時的に停止され、作業の再開後に復元されます。”

流出した Pudu の作業停止についての通知メール

有害なビジネスモデル

産業専門家は、 Pudu Robotics が利益と持続可能な開発を保証する、信頼のおけるビジネスモデルを打ち出したことはこれまでなかったと指摘しました。

Pudu Robotics の以前のセールスリーダーは、Pudu のセールスチームが、即座の成功や瞬時の利益だけを目指すという、不健康な精神が存在したことを明らかにしました。 報告  によると、Pudu は請負金額を増やすために頭金を使用したと伝えられています。つまり、流通業者が契約を一度に支払えない場合には、Pudu は10%-20%の頭金を提案するということです。以前のセールスリーダーによると、Pudu は頭金を用いて、流通業者が過剰な在庫を蓄えるよう説得しましたが、それにより完売には至りませんでした。

多くの流通業者は、Pudu Roboticsの非倫理的な事業運営に対して怒りを感じていました。 流通業者の1人によると、古く余った在庫の処理に苦労しており、それにより倒産した流通業者もいるとのことです。Pudu が海外で最初に最も成功した市場である韓国では、Pudu の地元の流通業者に近い情報網が明らかにしたところによると、韓国の流通業者は1000台を超える在庫を所有しているようです。現在の販売速度で行くと、完売には1年半以上かかると流通業者は述べています。それにもかかわらず、Pudu のセールスチームは未だに流通業者がさらに注文するよう促しています。

以前のセールスリーダーによると、Pudu の無謀な価格設定は別の問題だということです。 例えば、Pudu の配膳ロボットのフラッグシップ機であるBellaBotの販売価格は、ヨーロッパ市場では6,000米ドルですが、一部のアジア諸国では3,000米ドルにすぎません。

産業専門家の警告

企業の経営難や明らかになった非倫理的行動を考慮すると、会社が生き残るための新しい事業計画を立てると予測するのは現実的ではないでしょう。ある産業専門家は、Pudu の低価格な製品は、会社が財政危機から救われるために計画し、顧客のお金を持ち逃げし、手っ取り早くお金を稼ぐための”ラグプル”のようなものだと警告しています。大量の一時解雇のため、企業の多数の部署は、徹底的な労働力の削減後、正常に機能することができていません。Pudu のソーシャルメディアアカウントの一つのコメントによると、会社はアフターサービスの提供を拒否したとのことです: “機械の購入後、本社からのアフターサービスの提供がありませんでした。”

Pudu のドウインに投稿されたコメントのスクリーンショット

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