ドル円が一時158円台前半へ急落、日銀利上げ加速観測と米雇用指標下振れが重なる
2026年9月2日のニューヨーク外国為替市場および東京市場の早朝取引にかけて、ドル円相場が大幅に下落した。それまで1ドル=160円台前半で推移していた相場は急速に円高・ドル安へと傾き、日本時間午後10時10分すぎには一時158円19銭から158円22銭付近まで水準を切り下げた。
急激な円買いの引き金となったのは、日本銀行の金融政策をめぐる引き締め加速観測だ。日銀の高田創審議委員は2日の午後に開いた記者会見で、「年2回の間隔での利上げは従来の発想であり、局面が変わるなら連続利上げということもあり得る」と発言した。インフレ圧力への対抗として柔軟かつ機動的な利上げ姿勢を示唆したことで、市場では政策金利の引き上げペースが想定よりも早まるとの思惑が一気に強まり、持ち高調整の円買いを誘発した。
一方、米国側では労働市場の減速感と利下げを後押しする材料が相次ぎ、ドルの重荷となった。米民間雇用サービス会社ADPが2日に発表した8月の全米雇用リポートにおいて、非農業部門の民間雇用者数の増加幅が市場予想を下回った。さらに、米ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁が米CNBCのインタビューで「インフレは緩やかな低下傾向にある」「金利は適切な水準にある」と述べた。これらの要因から米国の長期金利が低下し、ドルを売る動きに弾みがついた。
短時間での大幅な値動きを受け、外国為替市場では日本の通貨当局による介入や、その準備段階とされるレートチェック(金融機関に対する為替レートの照会)への警戒感が急速に高まった。もっとも、一部の市場ストラテジストからは、過去の介入局面と比較して変動幅が限定的であるとして、実際にレートチェックが行われたかについては懐疑的な見方も出ている。なお、当局によるレートチェックの実施に関する公式な確認はなされていない。
