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日本の伝統の美しさをモダンな視点で語り継ぐJWマリオット・ホテル東京 by Yabu Pushelberg

国際交流拠点「global crossroad」となる高輪ゲートウェイシティの上層階に位置するJWマリオット・ホテル東京は、東京都心にありながらも心安らぐ癒しの空間として世界中のゲストを迎えます

TOKYO, JAPAN – 2025年10月 | 10月2日に高輪ゲートウェイシティの中心にてグランドオープンするJWマリオット・ホテル東京は、現代のホスピタリティにおける「マインドフルネス」の概念を再定義し、新たな高みへと押し上げます。総面積219,583平方フィートのホスピタリティ空間を誇り、客室約200室を展開するJWマリオット・ホテル東京は、世界的デザインスタジオYabu Pushelbergによる設計理念と独自のデザイン言語によって、この地域における未来のホスピタリティを体現しています。

東海道を行き交う旅人たちに、かつて静かな安らぎを与えていた御殿山の丘の情景を受け継ぎながら、JWマリオットは世界中の旅人にとっての憩いの場所を思い描き、この街が「休息と再生の地」として歩んできた歴史を映し出します。伝統の精神と「間(あわい)」の美学に導かれ、Yabu Pushelbergは、訪れる人々が立ち止まり、心を整え、再びつながるための空間としてインテリアを設計しました。高台に位置し、そびえ立つ「リンクピラー1サウスタワー」の上層階を占めるこのホテルは、静謐な眺望とともに、都市の喧騒から離れた安らぎを提供します。

「JWマリオット・ホテル東京での滞在は、発見に満ちたひとときとなるでしょう。直感のままに館内を巡れば、デザインの細部、色彩、質感の美しさに心を奪われます。大胆な造形でありながら、心には穏やかさが広がり、どこか禅の精神さえ感じられる――その『静けさ』と『驚き』の調和こそ、このホテルが持つ真の魅力です。」Yabu Pushelberg共同創業者、George Yabu

「多くの方々の協力のおかげで、このプロジェクトを実現することができました。JR鉄道、マリオット、Hanabi: Art and Artistsの仲間たち、Molteni&C、Lasvit、Hengeなど家具販売パートナー、Studio Sawada Designのような職人の皆様に大変重要な役割を果たしていただきました。そしてもちろん、当スタジオのインテリアデザインチームとクリエイティブディレクターのJoyce Mou氏が、一貫して原動力となってくれました。このようなコラボレーションは私たちの周りでは自然に発生することです。一人で成し遂げるのではなく、共に意味あるものを創造することこそが重要なのです。」Yabu Pushelberg共同創業者、Glenn Pushelberg

L1とL2:到着エリア

玄関エリアは、都会の喧騒が敷地内の静けさへと切り替わる「境界」として設計されています。新たな世界が目の前に広がるその瞬間、訪れる人の胸に高揚感と期待を生み出し、これから始まる体験への序章を描き出します。特注の木製パネルに包まれたエントランスは、木製パネルで縁取られたエントランスは、重なり合う奥行きと陰影によって、自然の地形のうねりを思わせます。

緩やかに曲がりくねる小径を進むと、浅い水盤が連なる穏やかな風景がゲストを迎えます。その意匠は、住宅の庭園や品川の地形から着想を得たもの。空間全体には、天然石と濃色の木材が織りなす温もりある素材の世界が広がり、彫刻のように削り出された石造りのレセプションデスクがその趣を引き立てます。小径の先では、橋本知成氏による二体の堂々たるセラミック彫刻が、噴水の水面に静かに浮かび、その質感ある表面が静寂と自然とのつながりを深めています。

地上階の到着ラウンジでは、このホテルの代表的なアート作品の一つであるStudio Sawada Designによる《フジ》が置かれています。このアート作品は、Hanabi: Art and Artists が制作を依頼した、壮大な逆さ富士山の彫刻です。天井から吊り下げられたこのアルミニウム製の作品は、雪冠に照らされた凸面鏡を包み込んでいます。紫外線による光輪を思わせるこの凸面鏡は、鑑賞者の視線と周囲の環境とをともに映し出します。

玄関の上階では、歩行者用通路が非対称の淡色木製パビリオンへとつなぎ、パネルの切れ目から中央に置かれた質感豊かなランタンが焦点として浮かび上がります。この手編みの作品は敷地内の複数の場所に設置されており、光と素材によって空間全体の統一感を醸し出します。

L30:受付エリア

地上階から30階へと上がると、静謐で洗練されたロビーが広がります。柔らかな光に包まれた空間は、到着したゲストの心を整えます。木製スクリーンがゲストをレセプションエリアへと導き、空間全体を視覚的・素材的に一体化させています。スクリーンの先には、天井から吊り下げられた有機的なフォルムの造形物が浮かび、テラコッタオレンジの温かな色調と繊細な模様が光を受けて陰影を生み出します。その色合いに呼応するグラデーションカーペットが足元に広がり、全体に落ち着きと調和をもたらしています。緩やかな曲線を描いたベンチは、角張った金属製のカウンターと対をなし、異なる素材が生むコントラストが空間にリズムを与えます。

受付エリアの隣には、深みのある色調の本棚が壁一面に並び、柔らかな照明に包まれた先に、小さな瞑想室の入口が静かに姿を見せます。心を落ち着かせるためのこの空間は、内装が白で統一され、穏やかな明るさに満ちています。当スタジオが手がけたLigne Rosetの《プッカ》チェアと、控えめなデザインの靴収納キャビネットが配され、静寂の中にも温もりを感じさせる憩いの場となっています。

ロビーラウンジには、焼きたてのパンの香りが漂うペストリーバー「Le Cres」が位置しています。中央に設えられた金属製のオーブンが象徴的な存在となり、空間に演出性と温もりをもたらしています。隣接する「JWラウンジ」では、深みのある木のパネルと柔らかな照明が調和し、Yabu Pushelbergによる家具と照明が上質な雰囲気を演出します。非対称構成で吊り下げられたLasvit の《サイファー》ペンダントライトは、壁や床に柔らかな陰影を落とし、穏やかな光の表情を生み出します。Hengeの《パドル》テーブルは、品川の目黒川を思わせる造形で、直線的な暖炉の炎とともに、空間に静かな動きを与えています。奥には、吹きガラスで囲まれた「ツリーハウス」と呼ばれるエリアがあり、生きたフィカスの木がラウンジとダイニングをやわらかくつないでいます。

ロビーに併設されたライブラリーは、アート、デザイン、文化にまつわる書籍が並ぶ、キュレーションされたプライベートな空間です。そのすぐ先には「JW Bar」が広がり、中央にはU字型の石造りのバーカウンターが堂々と据えられています。柔らかな光を放つニッチがグリッド状に配され、それぞれに緑豊かなガラステラリウムが置かれ、空間全体をあたたかな光で包み込みます。

さらに奥へ進むと、チョコレートブラウンの曲線壁と控えめな照明に囲まれた、秘密のバーが現れます。地元アーティストによる庭園の壁画は、日本最古の漫画といわれる《鳥獣戯画》から着想を得たもので、遊び心に満ちた筆致が空間に生命感を吹き込みます。
近づいて目を凝らすと、そこにはなんと、酔いつぶれて寝転ぶウサギの姿が描かれています

 

L29: メインダイニングルーム

ロビーから壮大な螺旋階段を下りていくと、メインダイニングルームへと至ります。地面から天井まで二階を貫く壮大な棚がゲストを迎え入れ、没入感のあるダイニング空間へと誘います。棚には128点の特注陶器が展示されており、それぞれ異なる素材や形をした、唯一無二のものとなっています。

ダイニングルームにはペストリーバー、グリルエリア、カクテルバー、シーフードステーション、高級寿司バーが設けられています。これらの要素が一体となり、マリオットの「東京ハウス」、すなわち昼も夜も、その間の時間も、多種多様な料理と雰囲気を用意することを通じて、一つの場所に集結した様々なダイニング体験を提供するというコンセプトを具現化しています。インテリアには、Lintelooの《オワゾ》ダイニングテーブルやStellar Worksのダイニングチェア、そしてWarp & Weftの《ゲイル》ラグを採用。それぞれのゾーンは素材と色調によって特徴づけられながらも、精緻なディテールが全体を緩やかに結びつけ、洗練された一体感を生み出しています。

朝には、明るく開放的な空間で朝食を楽しめるメインの座席エリアが、午後になると優雅なティー空間へと姿を変えます。メインダイニングルームでは、親密な雰囲気を演出するために、深みのある素材仕上げと柔らかな照明を採用。グリルルームでは、柔らかく拡散するオレンジの光が温かみを添え、ペストリーバーでは液体金属と溶岩石の仕上げが印象的な質感を生み出しています。それぞれの空間が、トーンとマテリアル、光のニュアンスを巧みに重ね合わせることで、静かな調和と豊かな奥行きを描き出しています。

L29: セフィーノ

メインダイニングルームのすぐ隣に、区切られた独立したダイニングスペース「セフィーノ」があります。ここでは、スペインの田舎から東京へと料理の旅を続けた日本人シェフの物語が語られています。素朴な魅力と巧みな日本の職人技が融合したこの空間に入ると、ゲストは金属製のゲートをくぐりレンガ敷きのフロアを進み、ワインセラーを通り抜けてバーへと導かれます。

温室をイメージした壁画がバーの上にアーチをかけ、この空間に庭園の豊かさをもたらしてくれます。バーはレストランの中心部へと続き、実際の木の幹を脚にしたテーブルには曲線的な張り地椅子と太いロープを巻きつけたシャンデリアが配され、どこかスペインの田園風景を思い出させます。そのすぐ先には、デザートや地元食材を展示する食材庫が設置されてます。よりプライベートな空間を求めるゲストのために、曲線を描くダークレンガで縁取られた暖炉を備えた個室も用意されています。手作業で釉薬をかけたタイルから曲線を描くレンガまで、あらゆる素材にYabu Pushelbergの細部へのこだわりが感じられます。

客室

洗練された曲線デザインのエレベーターが、客室の廊下へとゲストを導きます。エレベーターの内部では、サンドブラスト加工を施した石床が有機的な形状を描き、光を捉えて、ソフトスポットライトが上から優しく照らしているような感覚を生み出します。廊下の先では、研磨仕上げの石床が通路へ続き、品川の伝統的な枯山水庭園に着想を得たYabu Pushelbergのカーペットが敷かれており、その非対称なパターンが描かれた砂紋のように思わせます。

客室は流動的なモダニズムというコンセプトでデザインされました。各室には、部屋の基調を決める家具とICEのカーペットに加え、日本人に親しみ深い伝統的な大型クローゼットが配置されています。スタンダードスイートでは、床から天井までの大開口窓のそばにベッドを配置し、Yabu PushelbergがRubelli生地を使用してデザインしたカーテンを飾っています。より広いスイートには、さらにアースカラーのMolteni&C《サーフ》ソファが配置され、より広々としたリビングエリアが、自宅にいるようにゆとりと寛ぎを感じさせます。

バスルームでは、大理石とテラゾーモザイクの壁、大理石の床を使用しており、さらに癒しの照明を加えて、極上の温かみと静けさを実現しました。

客室のアートプログラムはHanabi: Art and Artistsが監修し、空間に侘び寂びの趣を醸し出し、不完全さの美しさを称えます。各客室にはLori Harrison氏がレイヤーのある自然素材を使って描いた絵画と、Yuriko Kubota氏の品川風景を写した層状写真が展示されており、スイートルームでは、Minh Dung Vu氏の木版画とJoy Walker氏によるリネンのシルクスクリーンプリント作品で特徴を出しています。表面性・組み合わせ性・物質性という原理がコレクション全体を貫き、客室での体験をホテル全体の物語へと結びつけています。

L28: スパ、プールとジム

彫刻が施された木製パネル壁と緩やかに湾曲したMolteni&Cの《サーフ》ソファが配置されたスパの受付は、静かな雰囲気の中に暖かくゲストを迎え入れます。奥にはエクスプレストリートメントルームがあり、繭に包まれるような心地よさのなかで、短時間でも深いリフレッシュを体験できる空間となっています。受付から続く廊下は、柔らかな光を放つフリーフォームのフロアランタンが通路に沿って並び、スパの奥へとゲストを導きながら、静寂の中に感性が研ぎ澄まされる、まさに至高の体験を生み出しています。

プールは、スパの雰囲気と響き合い、同様にランタンが水際に連なり、柔らかな光を放ちます。勾配天井とテラゾ石の壁に囲まれる温泉プールは、天然の緑地を思わせる岩のような彫刻造形と建築的なファサードで利用客を優しく包み込みます。

フィットネスは、自然素材の基調を発展させ、細部に満ちた木製装飾と光を透過する屏風により、空間の質感を高めています。有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチングのためのゾーンをそれぞれ設け、広々としていながら秩序感のある印象を与え、集中力、流れと動きを促します。一方で、サウナエリアは心身を解きほぐすための静かな憩いの場として設えられ、トレーニングの緊張から穏やかな安らぎへと導きます。

L28: プレファンクションエリアと宴会場

金色に仕上げられたエスカレーターと、質感豊かなガラス屏風が、ゲストをプレファンクションスペースへと優雅に導きます。スケッチのような模様が描かれたグラデーションカーペットは、床面に光と影のリズムを生み出し、空間に奥行きと立体感を与えています。

その先には、半分ガラス、半分石で構成された螺旋階段があり、ゲストをグランドボールルームへと誘います。洗練されたこの空間は、建築的な彫刻要素によって一層の華やかさを纏い、天井からはStudio Sawada Designによる、しわの質感を生かした紫色の金属製アートピースが垂らされ、空間に深みと動きを添えています。イベントや式典のために設えられた大型の可動式LEDスクリーンは、没入感のある背景演出を可能にし、シーンに応じて空間の印象を自在に変化させます。

グランドボールルームのすぐ隣には、De Padovaの《アミ》ソファとLasvitの《マイルズ》フロアランプが配された〈ブライダルスイート〉があり、鏡張りの親密な空間が控室としてゲストを静かに包み込みます。

L28: エグゼクティブラウンジ

エグゼクティブラウンジは、ビジネスゲストのための落ち着いた空間としてデザインされています。壁と天井には温かみのある木材をふんだんに使用し、全体に包み込まれるような一体感を生み出しています。De Padovaの《アミ》アームチェアとHengeの《メープル》ペンダントライトが配置され、静けさの中に上質な存在感を添えています。中央には深いブルーとグリーンの色調が印象的なフュージョンマーブルのカウンターを設け、木の空間に鮮やかなコントラストを与えています。この空間は、都会の喧騒から離れた「静かなアトリエ」のような場所として、思考を整え、穏やかな集中を生み出します。

Yabu Pushelbergについて

Yabu Pushelberg(ヤブ・プシェルバーグ)は、人と空間、そして体験の関係性をデザインする国際的なデザインスタジオです。ジョージ・ヤブとグレン・プシェルバーグの二人によって1980年に設立され、当初はインテリアデザインを中心に活動を始めましたが、現在では戦略設計からプロダクト、照明、テキスタイル、スタイリングに至るまで、多層的なデザイン領域を横断的に手がけています。ニューヨークとトロントを拠点に、100名を超えるクリエイターと専門家が在籍。世界各地のホテル、レジデンス、リテール、文化施設などにおいて、人が空間と出会う瞬間に生まれる感情と体験の質を追求し続けています。彼らのデザイン哲学は、単に「見た目の美しさ」を超え、「人がその場所でどのように感じ、どのように記憶するか」という感性のデザインに重点を置いています。その作品は、静けさと遊び心、緊張と安らぎといった相反する要素の均衡によって成り立ち、見る者、使う者それぞれの感覚に新たな発見をもたらします。

詳しくは、yabupushelberg.com、または@yabupushelbergをご覧ください。

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