トランプ大統領、東京入り 天皇陛下・高市首相と相次ぎ会談 — 日米同盟の現場から
2025年10月27日昼、ドナルド・トランプ米大統領がアジア歴訪の一環として東京・羽田空港に降り立った。到着直後、厳戒態勢が敷かれる都心では、米大統領専用車両に沿って1000人規模の警察官が配置され、現地では抗議デモも見受けられる中、厳粛な歓迎ムードが広がった。
午後、トランプ氏は皇居へ移動。徳仁天皇陛下と2019年以来の再会となった。陛下は笑顔で大統領を迎え、両者は写真撮影後、意見交換の場を持った。皇室の伝統に基づき儀礼的な雰囲気が漂いつつも、両国外交の歴史を象徴する重要な瞬間だった。
日本初の女性首相・高市早苗氏との初対面
翌28日に控えるのは、高市早苗首相(就任間もない日本初の女性首相)との初の首脳会談である。高市氏は、「米国との同盟強化を最優先課題」と明言しており、電話会談では“率直で極めて協調的な印象”だと側近は語る。米側も「素晴らしい評判を耳にした。彼女は安倍晋三元首相の親しい同志だ」とトランプ氏自身が記者団に明かしている。
今回の会談の焦点は、日本の防衛力強化と米国への巨額投資にある。日本は9月の合意により、米国内に5500億ドル規模の投資を約束。これにより、米国側が日本製品への追加関税を25%から15%へと引き下げた背景もある。高市政権は、中国の軍拡・経済拡張路線に対抗しつつ、日本としても戦後最大規模の防衛費増額計画に言及している。
トランプ大統領は火曜日、横須賀の米海軍基地を視察し、空母ジョージ・ワシントンで演説する予定だ。これは「実効的な日米防衛協力をさらに進める象徴的イベント」と米政府高官も述べている。
爆発する国際的関心と日常の交差
現地東京では、訪日の影響で朝から交通規制や警備強化が市民生活に直結し、市中のカフェや駅では「大統領行列」を一目見ようと足を止める人も多い。SNSでは「歴史的瞬間だ」とする投稿が急増。日本国内のみならず、グローバル経済界・外交界にも広範な波紋を広げている。
日米両国は最近のグローバルな経済・安全保障の不確実性を背景に、協調関係の深化を目指す必要に迫られている。トランプ大統領の今回の訪問は、両国間の戦略的なパートナーシップの再確認として大きな意味を持つ。
トランプ氏はこの後、韓国に移動し、習近平中国国家主席との会談で米中貿易合意の最終調整に臨む予定である。
