技術・開発

伊藤忠丸紅鉄鋼とNTT Com、鉄鋼製品サプライチェーン全体の 温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービスの実証実験を開始- Net24ニュース

 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 (本社:東京都中央区 代表取締役社長 : 塔下辰彦、以下 伊藤忠丸紅鉄鋼) とNTTコミュニケーションズ株式会社 (本社 : 東京都千代田区 代表取締役社長 : 丸岡亨、以下 NTT Com) は、鉄鋼製品を扱うサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に貢献するため、温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービスの実証実験 (以下 本実証実験) を開始します。

 本実証実験は、サプライチェーン上の企業から排出量に関する実データの提供を受けつつ、伊藤忠丸紅鉄鋼が強みとする鉄鋼業界に関する知見と、NTT ComのICT技術とを融合して推進します。また両社は共同プロジェクト「MIeCO2 (ミエコ)」を立ち上げ、温室効果ガス削減に向け各種ソリューションの提供とその事業化の検討を行います。

<排出量可視化が目指すゴールのイメージ図>

1. 背景

 日本政府が目指す2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、鉄鋼業界、また鉄鋼製品を使用する企業においては、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みが急務となっています。一方、企業が排出量削減に向けた取り組みを加速するためには、自社単独ではなく取引先との連携によってサプライチェーン全体にわたり正確な情報を共有し、対策を進める必要があります。

 両社は、サプライチェーン全体を俯瞰した温室効果ガス排出量削減を図るソリューション群の提供を共同で検討することに合意し、本実証実験はその第一弾として実施します。

2. 本実証実験の概要     

 温室効果ガス排出量の算定に用いられる排出原単位 (※1) には、個別企業が排出する実績値のデータである「一次データ」と、環境省などが業種や製品別に平均し公開しているデータである「二次データ」があります。企業が排出量算定に「二次データ」を用いる場合、実績値ではないため精度が低い、企業努力により排出量を削減しても原単位には反映されにくく結果的に自社排出量を改善しにくい、といった課題があり、より正確な「一次データ」活用の必要性が高まっています。

 本実証実験では、鉄鋼製品を製造・販売・購買する複数の企業から協力を得ることで、以下の実証を図ります。

 (1) サプライチェーン上にある企業間で「一次データ」を共有し、製品単位の排出量をより正確に算定

 (2) 製品単位の排出量を活用し、自社の排出量をより正確に算定

 (3) 排出量の共有・算定をクラウドサービスとして適用する際の実用性、効率性を評価

3. 両社の役割    

 (1) 伊藤忠丸紅鉄鋼:国内外での幅広い取引により確立したグローバルビジネス基盤が持つ機能と、鉄鋼製品業界に関連する多様な知見の提供

 (2) NTT Com:ICTとOT (※2) を融合したソリューションの蓄積による、データ利活用、IoT、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなどの技術に関する知見の提供

4. 本実証実験の開始時期

 2023年2月14日

5. 今後の展開

 本実証実験を通じ、2023年度上期に鉄鋼製品のサプライチェーン全体にわたる温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービスの提供開始を目指します。また、排出量に関するデータの収集・算定・分析・情報開示および排出量削減に向け、企業の業務負荷軽減と社会的なグリーントランスフォーメーション (GX) への貢献を図るソリューション群の提供を「MIeCO2」プロジェクト内で共同して検討します。

(※1) : 排出原単位とは、活動量あたりの温室効果ガス排出量です。例えば電気1kWh使用当たりの排出量、貨物の輸送量1t当たりの排出量、廃棄物の焼却1t当たりの排出量などです。温室効果ガス排出量は、活動量×排出原単位で算定します。

(※2) : OTとは、Operational Technology の略称で、工場やプラント、ビルなどの制御機器を制御し運用するシステムやその技術のことです。



出典:@Press

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です