インターステラテクノロジズとJAXA、小型ロケット用エンジンシステム技術の研究開発に関する共創活動を開始- Net24
インターステラテクノロジズ株式会社(代表取締役:稲川貴大、以下「IST」)*1と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(以下、J-SPARC)」*2の枠組みのもと、小型ロケット用エンジンシステム技術の研究開発に関する共創活動を開始しました。
©IST・JAXA
【本共創活動の背景】
ISTとJAXAは、2019年2月よりJ-SPARCの共創活動(フェーズ1)を通じて、小型ロケットエンジンの主要コンポーネントである噴射器、燃焼室、ターボポンプを対象にした研究開発に取り組んできました。この共創活動ではJAXA角田宇宙センターの試験設備を活用し、JAXAはこれまでのロケットエンジン研究で取得した技術の社会実装に向けた試行と将来の基盤技術としての小型ロケット用エンジン技術の研究開発を、ISTは現在開発中の超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」(以下「ZERO」)に適用するロケットエンジンを想定した仕様の設定や技術の研究開発を、それぞれ実施しました。*3
今回、これらの主要コンポーネント技術の実用化への目途が得られたことから、次の共創活動(フェーズ2)として、個々の技術をシステムとしてインテグレートした小型ロケット用エンジンシステムの研究開発に取り組むこととなりました。本フェーズでは、JAXAとISTそれぞれがエンジンシステムを構成するコンポーネントの設計・製作を行い、JAXAが角田宇宙センターにてエンジンシステムとしての組立および試験を実施、得られた試験結果を両者で共有します。これにより、それぞれ単独で実施するよりも広範囲の試験データを効率的に取得し、低コストで実用的なエンジンシステム技術の獲得を目指します。
【本共創活動により目指す出口】
ISTは低コストな小型ロケット用エンジンシステム技術をZEROの開発に活用し、早期の実機打上げを目指します。
JAXAは獲得した成果を基盤技術として蓄積し、民間宇宙輸送サービス事業やJAXAの将来宇宙輸送系への適用など、日本全体の宇宙輸送事業の発展に貢献していきます。
*1:インターステラテクノロジズ株式会社
インターステラテクノロジズは、圧倒的に低価格で便利な宇宙輸送サービスにより宇宙へのインフラを構築し、誰もが宇宙に手が届く未来の実現を目指すスタートアップ企業です。北海道大樹町に本社を置き、東京支社と福島支社、室蘭技術研究所(室蘭工業大学内)の4拠点で開発を進めています。観測ロケット「MOMO」は2019年5月に国内民間企業で初めて宇宙空間に到達、2021年7月には2機連続での宇宙到達に成功しました。次世代機となる超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」も初号機打上げに向けて開発を本格化させています。
*2:JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めています。
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
*3:共創活動(フェーズ1)の活動例
「角田宇宙センターでの噴射器特性評価試験」
2019年よりJAXA角田宇宙センターにて、低コストで運用性に優れた噴射器の地上燃焼試験を実施し、設計技術の実証および性能取得に成功しています。
©JAXA
<関連動画>
ISTとJAXAとの共創活動に関する紹介動画
<コメント>
インターステラテクノロジズ株式会社 研究開発企画統括 金井 竜一朗
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本共創活動のフェーズ1ではフライト用の高い性能と革新的な低コスト化を両立し得る数多くの成果が生まれており、軌道投入に向けたステップを着実に進んでいる実感があります。成果をエンジンシステムとして結実させ、ロケットとして社会実装することが我々の責務です。これからもJAXAの皆様と一緒にチャレンジしていきたいと思います。 |
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)J-SPARCプロデューサー 山城 龍馬
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小型衛星を安価に軌道に投入することのできる小型ロケットには、宇宙開発のボトルネックと言われる輸送コストの問題の解決が期待されています。JAXAの経験/技術とISTのチャレンジ精神/アイデアとの融合により、このような小型ロケットを実現するためのロケットエンジン技術を確立し、宇宙への参入障壁を下げることで、様々な民間宇宙活動の起爆剤となるとともに、JAXAの将来計画への貢献も目指します。 |
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