国際

トランプ政権、モーリシャスからチャゴス諸島購入を検討

ホワイトハウスは、インド洋に位置する戦略的要衝チャゴス諸島をモーリシャスから購入する案を検討していると、英紙テレグラフが日曜日に報じた。この動きは、英国が進めていた同諸島の主権移譲計画を事実上頓挫させる可能性がある。

報道によると、米政府は英国を介さず、モーリシャスと直接交渉することで、諸島最大の島ディエゴガルシアの管理権確保を目指す提案を策定した。同島には、米英共同の軍事基地があり、海軍および爆撃機の運用拠点として重要な役割を担っている。

ロイター通信によれば、この案はホワイトハウスがキア・スターマー英首相に提示予定の複数の選択肢の一つとされるが、内容の独立した確認は取れていない。ホワイトハウスおよび英国外務省はいずれも現時点でコメントを控えている。

背景:トランプ氏が覆した合意

2025年5月、英国とモーリシャスは、チャゴス諸島の主権をモーリシャスに移譲する一方で、ディエゴガルシアを99年間リースする条約に署名した。年間平均リース料は1億100万ポンドとされていた。

しかしトランプ大統領は2026年1月の就任日にこの合意を「極めて愚かな行為」と批判。その後4月には、米国の支持なしでは実行不可能であるとして、英国政府は関連法案の議会提出を見送った。

ディエゴガルシアの基地は、長年にわたりインド洋および中東における米軍作戦の重要拠点として機能してきた。合意に反対する米議会関係者や保守系シンクタンクは、中国がモーリシャスを含むインド洋諸国に投資を拡大している点を挙げ、安全保障上のリスクを指摘していた。

グリーンランド構想の再来

今回の構想は、デンマーク領グリーンランドやパナマ運河の取得を検討した過去のトランプ政権の姿勢とも重なる。トランプ氏自身も今年1月、チャゴス問題をグリーンランド購入構想の根拠の一つとして言及していた。

テレグラフ紙はこの動きを「かつての外交手法の再来」と評し、不動産業出身の大統領による発想と指摘している。

2月には、米国とモーリシャスの間で安全保障協力に関する協議が行われ、米国務省はチャゴス諸島の「継続的な重要性」を強調した。ただし、モーリシャス側が売却に応じるかは不透明であり、同国政府はこれまで主権回復を「脱植民地化の完了」と位置づけてきた。

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