神田伯山、未来への展望:「講談界の入り口を広げるためにインフラ整備が重要」との考え
講談師の神田伯山が21日、著書『講談放浪記』の発売にあたり、新宿末廣亭で記者会見を開いた。
本書は、文芸誌『群像』に連載(2021年〜2022年)した内容に加筆して書籍化したもの。また、人間国宝で師匠の神田松鯉との師弟対談も収めていて、伯山は「この対談だけでも見てほしいです。それぐらい充実しています」とアピール。つらい修行において、ためになった言葉を、間違えないよう読み上げて「師匠が考えていた深さを改めて発見できた」と改めて感想も述べた。
この本に力を注いだのは理由があるとして「私は、講談界の入口を広げたい。インフラを整えることを重要視しています。それで、講談師の人数を増やす、そして、お客さんの人数を増やす作業をすることで、講談界の全盛期に近づく、唯一の方法だと考えております」と未来に向けた行動だと語った。
また過去を振り返り「私が入門した当時は、やさしく書かれた本も無く、音源も映像も何もかも無かった。要は、入口が無かった。講談師の先生方、とても立派な方ばかりなのですが、私が思うに常連のお客さまと、あうんの呼吸でやっているような講談を読まれていることが多い。なので、初心者の方には、とてもハードルが高いと思っていて、まずは入口を広げようと思ったのです」と動機も明かし、現状を変える第一歩に進んでいるとした。
▼ 神田伯山は、襲名後初の書籍『講談放浪記』を昨日・7月20日に発売した
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