Excelファイルで入力ルールを見える化する! 〜入力規則の設定でエラーメッセージを表示させる方法 -ライブドア
複数の人とExcelファイルを利用、共有することは仕事でよくある。
このとき大事なのは、入力時のルールも、しっかり共有、伝えておくことだ。
例えば「このセルは必ず入力してほしい」というとき、
それを口頭で伝えてもよいが、
やはり入力時に分かるようになっていると、ミスはかなり少なくなるだろう。
そこで今回は、未入力項目がある場合にエラーメッセージを表示する方法を紹介しよう。入力規則の機能を利用するので、マクロを組む必要もない。
まずは入力に関する条件を設定し、その条件に反したときにエラーメッセージを表示するように設定していこう。
●セルに入力の条件を設定する
下図の表を例に、A列の「会員番号」が空白のまま、ほかの項目を入力したときにエラーメッセージを表示するよう、設定していこう。
・入力の条件やエラーメッセージを設定したいセルを選択。
ここではセルB2からF2を選択した。このセル範囲に入力の条件やエラーメッセージを設定し、そのあとで3行目以降にコピーする手順とする。
・[データ]タブの[入力規則]から[データの入力規則]をクリック。
・[データの入力規則]ダイアログボックスの[設定]タブで「ユーザー設定」を選択。
・[空白を無視する]をオフにする。
空白に関する設定をするので、ここは重要ポイントだ。必ずオフにしておこう。
・[数式]に「=$A2″”」と入力する。
これは、「セルA2が空白でない」という意味だ。「””」は空白を、「」は「≠(ノットイコール)」と同じく「等しくない」ことを示す。
つまり、ここで「セルB2からF2に入力をするときは『セルA2が空白でないこと』」という条件を設定したことになる。
なお、行や列を固定して参照する「$」は、ここでは「=$A2″”」と、「A」の前に付けた。これがないと、
セルC2は「B2が空白でない」、セルD2は「C2が空白でない」……と,
参照するセルがずれてしまう。
そこで、セルC2からF2まで、すべてセルA2を参照してもらうために「A」の前に「$」を付けている。
また、ここでは前述したように、設定後に縦方向へコピーする。
例えば「$A$2」と、「2」の前にも「$」を付けてしまうと、「どの行のセルも、A2が空白でないときに入力できる」という条件になってしまう。
しかし、例えばセルB3なら、同じ行にあるA3のセルが空白かどうかを判断したい。つまり、行は固定したくない。
そこで、ここでは「A」の前にだけ「$」を付けて、「=$A2″”」としている。
●セルにエラーメッセージを設定する
次に、[エラーメッセージ]タブに切り替えて、エラーメッセージを入力する。
[メッセージ]には簡潔に、そして具体的に、エラーメッセージを出した理由や操作してほしいことなどを書く。[タイトル]は省略してもかまわない。
[OK]をクリックすれば、「セルA2が空白のまま、セルB2からF2のいずれかに入力がなされたとき」に、エラーメッセージが表示されるようになる。
設定が終わったら、ほかのセルにコピーする前に動作を試してみよう。
セルA2の「会員番号」を空白にしたまま、セルB2の「クラス」に数値を入力。次のセルに移動しようとすると、正しくメッセージが表示された。
あとは、セルB2からF2を範囲選択し、フィルハンドル等を利用して、下方向へコピーすれば完成だ。
ファイルを共有するメンバーに実際に操作してもらい、メッセージの分かりやすさなどについても意見を募れば、さらに使いやすいファイルになるだろう。
入力規則には、このほかにも便利な機能がある。
「このセルは半角で入力、このセルは全角で入力」など、セルごとに入力文字種をコントロールできる機能(https://news.livedoor.com/article/detail/21768964/)もその1つだ。
複数のメンバーと共有して入力する表なら、ぜひ、[入力規則]にあるさまざまな機能を試してみてほしい。
執筆 中野 久美子
提供(C)ライブドアニュース