あなたのオフィス・研究室が「きぼう」船外と繋がります~「きぼう」船外ミッション外部運用管理システム稼働~- Net24
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏/以下、JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置されたミッション機器へユーザーのオフィスや研究室などのJAXA筑波宇宙センター外からセキュアなネットワークで接続、運用を可能とする「きぼう」船外ミッション外部運用管理システムをクラウド上に構築し、稼働いたしました。
図1.「きぼう」外部運用管理システムのイメージ
これまで「きぼう」船外実験プラットフォームに設置されたミッション機器の運用は、ユーザーが筑波宇宙センターにて、テレメトリを確認しながら運用管制員に観測などの要求を伝え調整し、運用管制員が操作指令を出して行っていました。また、毎回の運用日時を予め決定し、運用体制を整えた上で運用する必要がありました。
今回稼働した外部運用管理システムを利用することにより、ユーザーは、オフィスや研究室などの希望する場所からネットワークを介し、ユーザー自身が操作指令を出してミッション機器を運用することが可能となり、「きぼう利用のリモートワーク」化が実現しました。また、ユーザーのスケジュールに合わせた柔軟な運用、さらには急な運用変更にも迅速に対応が可能となるなど、利便性が格段に向上しました。
JAXAでは、他の利用拡大・利便性向上の取り組みとしてこれまでに、「きぼう」船外実験プラットフォームに取り付ける中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)※1のサービス提供事業社として、Space BD株式会社(https://space-bd.com/外部リンク)を選定し、2020年からは、国内外のユーザーに広く独自の民間ならではのサービスが同社から提供されています。また、2022年3月には、i-SEEPの2号機を打ち上げるとともに、i-SEEP取り付け型の小型ペイロード搭載支援装置(SPySE)※2を装備し、更なる船外利用の利便性向上を目指してきました。このように、より多くの、そして小型のミッション要求等にも対応できるようになったこれまでの取り組みに加えて、今回稼働した外部運用管理システムにより、将来中小型のペイロードが更に増え、ユーザーが拡大した場合でも、各ユーザーが筑波に集まることなく、運用することが可能となりました。
今回稼働した外部運用管理システムをはじめ、JAXAは今後も、研究分野のみならず、民間企業による「きぼう」利用拡大を推進し、利用促進に必要となる基盤的設備の整備、高機能化を進め、高まるニーズを実現していく計画です。
図2. i-SEEPの軌道上ラインナップ(©JAXA)
※1 中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)
中型の船外実験ペイロードを船外実験プラットフォームに取り付けるためのアダプタで、電力等のリソースをペイロードに提供するもので50cm×70cm×35cm、200kgまでの大きさで、複数の実験装置を搭載することができる。
https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/experiment/ef/i-seep/
※2 小型ペイロード搭載支援装置(SPySE)
CubeSatサイズの小型の実験装置等をi-SEEPに取り付けるための支援装置で、リソース等の提供をペイロードに提供するもの。
https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/experiment/ef/i-seep/#sw-iSEEP-SPySE
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