岸田首相と中国の李首相、韓国で会談。海産物の輸入禁止や台湾問題を協議

ソウル – 日本の岸田文雄首相と中国の李強首相は、韓国での歴史的な会談に臨みました。この会談は、両国間の緊張を和らげ、共通の課題に対する協力を深めるための重要な一歩と見なされています。会談の主要議題は、中国による日本産水産物の輸入禁止措置と、台湾海峡の安定に関するものでした。

岸田首相は、福島第一原発の処理水放出問題を受けて中国が課した日本産水産物の輸入禁止措置について、その撤廃を強く求めました。しかし、李首相は放射能汚染水の海洋放出が「全人類の健康に関わる」と述べ、中国の立場は変わらないことを示唆しました。

また、岸田首相は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、中国の軍事演習に対する「深刻な懸念」を表明しました。これに対し、李首相は意見の相違は認めつつも、建設的で安定した関係の構築に努めると応じました。

この会談は、約4年半ぶりに開催された日中韓首脳会談の一環として行われました。岸田首相は、日中双方が共通の利益を拡大する「戦略的互恵関係」の推進や経済分野での協力など一致点を探ることを目指しました。一方で、李首相は互いに意見の違いがあることを認めながらも、両国関係の発展に重要な政治的リーダーシップを提供する意向を示しました。

この会談は、地域の安定と繁栄に向けた日中両国の努力を象徴しています。両首脳は、経済、環境、地域の安全保障など、多岐にわたる分野での協力を確認しました。しかし、水産物の輸入禁止や台湾問題など、解決すべき課題も残されています。

今後も、日中両国は継続的な対話を通じて、相互理解を深め、地域の平和と安定を支えるための協力を強化していくことが期待されます。この会談が、未来に向けた新たなステップとなることを、多くの国際社会が注目しています。

写真出典：首相官邸ホームページ (リンク)