岸田総理カナダ首相と日加首脳会談
現地時間1月12日午前11時25分(日本時間13日午前1時25分)から約75分間、カナダ・オタワを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジャスティン・トルドー・カナダ首相(The Right Honourable Justin Trudeau, Prime Minister of Canada)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
また、会談後、トルドー首相主催の経済関係者との昼食会が行われ、和やかな雰囲気の下、日加間の経済関係のポテンシャルについて意見交換が行われました。
冒頭、トルドー首相から、岸田総理大臣のカナダ訪問を歓迎するとともに、日加関係の一層の強化に向けて協力していきたい旨述べました。これに対し岸田総理大臣から、温かい歓迎に感謝する、2016年の外務大臣としての訪問以来7年ぶりに、また総理大臣として初めてカナダを訪問でき嬉しく思う、日本とカナダは共にG7のメンバーであり、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有するインド太平洋地域の重要な戦略的パートナーとして、地域と国際社会の平和と安定の維持・強化のため連携していきたい旨述べました。
岸田総理大臣から、先月策定した新たな国家安全保障戦略等に基づき、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本的強化及び防衛予算の増額を決定した旨述べたのに対し、トルドー首相から、全面的な支持を得ました。
また、岸田総理大臣から、昨年11月にカナダが「インド太平洋戦略」を発表したことを歓迎した上で、同戦略は昨年10月に日加両国で発表した「自由で開かれたインド太平洋に資する日加アクションプラン」と軌を一にするものであり、太平洋国家として、インド太平洋地域への関与を強化しているカナダとの連携を一層深化させ、同「アクションプラン」の着実な実施を通じて「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け連携していきたい旨述べました。
両首脳は、ウクライナや北朝鮮、中国等の地域情勢について意見交換を行いました。
- (1)両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略について、G7の結束を維持し、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことで一致しました。また、両首脳は、ロシアによる核の脅しを深刻に懸念しており、断じて受け入れられず、ましてやその使用は決してあってはならないことを確認しました。
- (2)両首脳は、北朝鮮による前例のない頻度と態様での弾道ミサイル発射は断じて容認できないことで一致した上で、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また、「瀬取り」対応や、拉致問題を含む北朝鮮への対応において引き続き連携していくことを確認しました。
- (3)両首脳は、東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みに強く反対し、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日加で緊密に連携していくことで一致しました。
両首脳は、CPTPPについても率直な議論を行い、同協定のハイスタンダードを維持する重要性を確認するとともに、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。また、両首脳は、エネルギーや食料を含む経済分野で協力関係を強化すること、また、経済的威圧への対応を含む経済安全保障分野や開発金融分野においても連携していくことで一致しました。
また、岸田総理大臣から、本年のG7議長国として、国際社会が直面する諸課題に対する取組を主導していく決意を示すとともに、G7日本議長年に向けた考え方をトルドー首相に説明しました。トルドー首相からは、G7広島サミットの成功に向け、全面的に支援する旨の発言があり、両首脳は、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。 岸田総理大臣から、G7広島サミットでは、力による一方的な現状変更の試みや核兵器による威嚇、その使用を断固として拒否し、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7のビジョンや決意を示していく旨述べました。また、岸田総理とトルドー首相は、エネルギー・食料安全保障を含む世界経済、核軍縮・不拡散、経済安全保障、また、気候変動、保健、開発といった地球規模の課題などの分野でG7が結束して取り組むことが重要との認識で一致しました。
出典:外務省ホームページ (URL)