日本政府 ザンビアのゾウの密猟監視施設を支援
野生動植物の違法取引は、喫緊のグローバルな課題です。日本政府は国際犯罪組織等による残虐な行為からゾウを保護するとの大義に深くコミットしており、ゾウ生息国における密猟対策への支援を重視しています。今回のウガンダにおける支援も、そうしたコミットメントの一環です。日本政府は、ワシントン条約に基づく貿易規制の着実な実施及び国際社会のパートナーとの緊密な協力を通じ、ゾウを含む野生動植物の違法取引対策に関する国際的な取組に引き続き貢献していきます。
日本政府はワシントン条約の「ゾウ密猟監視(MIKE:Monitoring the Illegal Killing of Elephants)プログラム」を通じて、ザンビアのロワーザンベジ国立公園において国立公園と人の居住地の境部にフェンスを建設し、人間とゾウの軋轢を最小化するとともに密猟監視施設(レンジャー宿泊施設、象牙の貯蔵庫、無線整備等)を建設するプロジェクトを支援し、2022年6月に建設が完了しました。これを受け、9月1日、ルサカにて、日本側を代表して水内駐ザンビア大使が、ザンビア側を代表してシクンバ観光大臣(Hon. Rodney Sikumba, Minister of Tourism)及び実施機関であるNGO「Conservation Lower Zambezi(CLZ)」のスチーブンソン代表(Mr. Ian Stevenson)他が出席の下、引渡式が行われました。
このプロジェクトの実施で、ザンビアにおける有数の重要な野生動物の宝庫であるロワーザンベジ国立公園において、人とゾウとの衝突への対策が講じられるとともに、密猟を監視する新たな拠点が建設されることにより、ゾウの効果的な保護につながります。日本政府は本件プロジェクトに対し、76,798米ドル(約845万円)を拠出しました。
式典では、水内大使から、本件支援がロワーザンベジ国立公園における生態系保護を抜本的に強化すること、また、これに伴うインフラの整備が観光資源の多様化にも資するものであると述べました。これに対してシクンバ観光大臣からは、日本政府からの多大なる支援に感謝する、また、ザンビア政府を代表しこのようなインフラ施設を受け取ることができ大変光栄に思う、日本は、ザンビアが最も必要とする支援を常に適時に供与してくれる真の友人であると述べられました。
[参考]野生動植物の違法取引対策に関する日本政府の最近の取組
- ワシントン条約の「ゾウ密猟監視(MIKE: Monitoring the Illegal Killing of Elephants)プログラム」を通じ、日本政府は近年、本件ザンビアでの案件に加えて、ジンバブエ(6万ドル、2016年)、ウガンダ(5.5万ドル、2017年)モザンビーク(10.9万ドル、2018年)における密猟対策プロジェクトに対してそれぞれ無償資金を拠出。
- 2018年10月、阿部俊子外務副大臣は、英国・ロンドンでの「第4回野生動植物の違法取引対策に関する国際会議」に出席し、(ア)日本の国内象牙取引管理を引き続き厳格に実施すること、(イ)生息国におけるゾウの密猟対策支援を推進すること、(ウ)野生動植物の違法取引対策に関する国際社会との連携を強化することにコミット。
- 2019年2月、マレーシア政府税関職員等を対象とした、野生動植物の違法取引対策に関する能力構築セミナーを、マレーシアにおいて日本と英国の共催で開催。
出典:外務省ホームページ