国際

林外務大臣会見記録—海洋・台湾等担当の企画官の設置

【読売新聞 阿部記者】外務省の機構定員要求についてお尋ねします。台湾を担当する企画官のポストを新設するとのことですが、その狙いと意義について、お考えをお聞かせください。

【林外務大臣】政府としては、中国との海洋をめぐる問題、それから台湾関連の問題に関する業務、これが著しく増加をしている中で、情報収集・分析、政策立案、対外発信等を機動的に行うため、令和4年度の機構要求におきまして、アジア大洋州局中国・モンゴル第一課に、海洋・台湾等を担当する企画官を1名要求しております。
 政府としては、このように外務省の体制も強化しながら、中国に対して、米国や欧州各国を始めとする普遍的価値を共有する国々とも連携して、ハイレベルの機会も活用しながら、主張すべきは毅然として主張し、責任ある行動を求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力していきたいと考えております。
 なお、先ほど述べましたように、これはまだ、現在要求を行っている段階でございます。官職の名称等については、何らまだ決まっていないということでございます。

水際対策(オミクロン株:外国人の新規入国停止)

【日本経済新聞 三木記者】水際対策についてお伺いします。今、政府はオミクロン株の影響で、11月30日から約1か月間にわたって、新規の外国人の入国を停止していると思います。
 今朝の外交部会の中で、この措置を1か月より長く求める、延長するように、というふうな声が部会から上がったときに、外務省から、その延長も視野に検討しているというふうな説明があったと、部会長のレクの中でありました。
 現在の外務省としての、水際対策の検討状況、延長も含めてどのようにお考えか教えてください。

【林外務大臣】この水際対策でございますが、これは政府として判断をされるということであるものでございますが、総理が、昨日、国会で、このオミクロン株の実態やリスクの度合いについて、ある程度、予想をできる状況に至るまでは、慎重な対応を続けていかなければならないと、そういう旨述べられたところでございます。
 まだ現状においては、何か決まったことがあるというわけではないということでございます。

緊急事態条項に関する議論

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 木原記者】12月9日と10日に、バイデン米大統領が、世界110の国・地域の指導者らを招いて、民主主義サミットを開催し、岸田総理が参加されました。岸田総理は、自由民主主義、法の支配、基本的人権を民主主義国家間の共通の普遍的価値感であると称していますけれども、日本自民党岸田政権が率先して緊急事態条項を改憲によって導入しようとしています。
 一切の制約もなく、期間も解除の制定もない、自民党の緊急事態条項案は、国家緊急権とナチスの全権委任法を足したような強力な独裁全権であり、これを実現したら、日本は内閣独裁の下、自由も国会による立法権も民主主義も法の支配も人権もなくなります。今の自民党岸田政権、そして、この緊急事態条項案に賛成する公明党、維新、国民民主党は、民主主義国家サミットに加わる資格はなくなり、専制国家側に行かなければならなくなりますが、そういうつもりで、岸田政権も自民党も政府もやっていらっしゃるということでよろしいでしょうか。
 また、このキョウラン条項の成立を強引に急ぐのは何のためでしょうか。台湾有事、つまり台湾をめぐって、中国と米国が、戦争開始したとき、日本が自主的に参戦するそのための準備でしょうか。理由をお聞かせください。よろしくお願いします。

【林外務大臣】民主主義のための、今般のサミット、これは民主主義の重要性を共有して、それに向かって進む多くの国や地域が参加して、互いにその結成を確認し、サミットに参加した国、しなかった国を含めて、世界全体での取組を後押しする場としての意義があるというふうに考えます。
 岸田総理から、先ほどお触れになっていただいたように、自由、民主主義、人権、法の支配といった、普遍的価値を損なう行動については、有志国が一致して、ワンボイスで臨んでいかなければならない旨を述べたところでございます。
 なお、質問の後段でございますが、このご趣旨を完全に理解しておるかどうか分かりませんが、党の方で、されておられる活動ということでございましたので、私(林大臣)の方からコメントは差し控えたいと思います。


出典:外務省ホームページ(揭載のURL

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