大同メタル、『風車技術研究所 実験棟』を竣工- Net24ニュース
大同メタル工業株式会社(以下 当社)は、大型風車用すべり軸受の設計信頼性の向上を目的とした実験棟を当社連結子会社の大同メタル佐賀株式会社(佐賀県武雄市)で竣工しました。(延べ床面積は460平方メートル)
当社は、2022年1月に洋上風力発電機の大型化に対応する次世代風車要素技術の開発に関し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「グリーンイノベーション基金事業(洋上風力発電の低コスト化プロジェクト)」(注1)の助成事業に「風車主軸受の滑り軸受化開発」で採択され(開発金額:約12億円内、助成金約8億円)、竣工した本実験棟には、世界初となる軸受メーカー単独でのすべり軸受用ベンチ試験機(軸径φ1,000)を設置し、佐賀大学、産業技術総合研究所と協力し風車用すべり軸受の開発に取り組んでまいります。試験開始は2025年5月頃を予定しています。
大型化する洋上風車への対応として、すべり軸受用ベンチ試験で得られるデータの活用により、軸受性能解析精度を向上し、その解析手法を大型風車(10MW以上)に適用することで、大型風車用すべり軸受の設計信頼性を高め、風車メーカーへの技術提案の強化を推進いたします。
なお、大手欧州風車メーカーで開発中の洋上風力発電機向けに主軸受(パッド軸受)の供給契約を締結したすべり軸受については、同風車メーカーの風車実機で現在、試験評価を実施中です。
開発技術の段階的な市場導入により事業化を加速させ、今後拡大が見込まれる洋上風力発電の社会実装ならびに2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
(注1) 風車の大型化に対応する次世代風車要素技術の開発を踏まえ、深い海域でも設置が可能な浮体式を中心とした洋上風力発電のコスト低減によって導入拡大を目指すプロジェクトです。
[関連情報]
当社について:
当社は、1939年(昭和14年)の創業以来、自動車、船舶、建設機械、一般産業向けなど、多種多様な産業分野で使用される「軸受(ベアリング)」を製造・販売している「総合すべり軸受メーカー」で、日本、北米、欧州、アジア、中国の5つの地域において、生産・販売・研究開発体制を構築しています。
自動車のエンジンに使用される半割軸受では世界シェア約33.3%、大型船舶のエンジンに使用される軸受では同約73.0%と、いずれも世界トップのシェアを有しています。(シェアは2023年暦年ベース/当社推定)
<大同メタル>
■2023年5月10日ニュースリリース:
「大同メタル工業、欧州洋上風力発電機用主軸受の供給契約締結」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7245/tdnet/2271224/00.pdf
■2022年2月4日ニュースリリース:
「NEDO「グリーンイノベーション基金事業(洋上風力発電の低コスト化プロジェクト)」に採択」
https://www.daidometal.com/jp/20220204-2/
■大同メタルウェブサイト 風力発電機用軸受:
https://www.daidometal.com/jp/wind-power/
<NEDO>
■2023年11月時点 事業戦略ビジョン:
実施プロジェクト名:洋上風力発電の低コスト化プロジェクト
研究開発項目フェーズ1-(1)次世代風車技術開発事業/風車主軸受の滑り軸受化開発
出典:@Press