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SSDにも寿命がある! PCのSSDは大丈夫? チェックする方法 -ライブドア


SSDにも寿命がある! PCのSSDは大丈夫? チェックする方法

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パソコンでデータを保存するために使われる記憶装置は、長らくHDD(Hard Disk Drive)と呼ばれるいわゆる「ハードディスク」がメインで利用されてきた。
しかし最近は、より高速で安全なフラッシュメモリーベースのSSD(Solid State Drive)/eMMC(embedded MultiMediaCard)を利用するケースが増えている。特にノートPCでのSSDやeMMC利用率は高く、シリコンディスクの普及はめざましいかぎりだ。

特にノートパソコンではスタンダードモデルでも内蔵ディスクの多くがSSDとなりつつあり、ユーザーにも「SSDのほうが速い」と歓迎されている。

そもそもHDDとSSDは同じ記憶装置で、互換性もあるのだが、内部の構造はまったく異なる。そのため、同じように使っていても実は違うところがある。

その大きな1つが「SSDには寿命がある」ことだ。

もちろんHDDもSSDも機械である以上、いつかは壊れる。
しかしそうした破損などの寿命とは別に、
SSDには「読み書きするデータサイズに上限がある」のだ。

つまり、使い続けることで、データの読み書きの上限という寿命に近づいていっているのだ。

●普及につれ意識されなくなったSSDの寿命
実はSSDが世に出始めたころは、「SSDには寿命があって使い方に気を付けたい」といった声も多くあった。しかしSSDが普及するにつれて、寿命についてはあまり言われなくなった。もちろんその背景にはSSDの性能が向上し、寿命が長くなったという理由もある。

ただ最近、パソコン本体の寿命も長くなり、買い替えサイクルも長くなった。
現在のパソコンは、黎明期のようにバージョンアップごとや1〜2年で劇的に性能が向上することも少なくなったため、1台のパソコンを長く使い続ける人も増えている。
またテレワーク需要により、中古市場などで安くパソコンを購入する人も増えており、以前よりもパソコンを長く使うようになってきている。

今はパソコンを以前よりも長く使う時代だ。
だからこそ、「SSDの寿命」をもう一度、思い出しておこう。

とは言ってもすぐに
「SSDが壊れてしまうかも?」
そんな心配をする必要は、ほぼない。

結論から言えば
「普通の使い方なら、SSDの寿命を迎えることはないので大丈夫」なのだ。
ただ安心してパソコンを利用するために、利用しているSSDの寿命を知ることが大事なのである。

●SSDの寿命を確認する方法
SSDの寿命は、どうすれば確認できるのか?
まずは、自分が使っているPCのSSDがどのくらいのデータサイズを読み書きしたかを確認しよう。

確認するには「CrystalDiskInfo」というフリーソフトを使う。


「CrystalDiskInfo」を公式サイトからダウンロードし、インストールする。
「Shizuku Edition」などの“萌え仕様”もあるが、通常版と機能は同じなので、通常版で問題ない。


CrystalDiskInfoを起動するとSSDの情報を読み取り、表示される。画面は、筆者がサブで使っているPCでチェックした結果。

CrystalDiskInfoの画面からは、
・総読込量
・総書込量
・電源投入回数
・使用時間
使用中SSDの情報がわかる。

この数値を確認しておこう。

次に、SSDの「書き込めるデータサイズの上限」を調べよう。
SSDの書き込めるデータサイズの上限は、「TGW」という数値で表される。
これはSSDの仕様の1つとして、製造したメーカーのサイトなどに記載されており、SSDの型番から調べることができる。
※パソコンのメーカーサイトではないので注意しよう。

たとえば「TGW=200TB」なら、書き込みの上限は「200TB」ということになる。
ただしTGWを調べるとき、英語サイトで探すなど少々ハードルが高いこともあるので、目安の付け方は後述する。

TGWの値を上回るとSSDは急速に劣化し、書き込み不良などが頻発するようになる。
こうした状態になればSSDは寿命に到達したと言える。

先ほど表示した筆者のサブPCでは、
・SSDの容量は1TB
・TGWは公称600TB
実は正確なTGWを調べるときはSSDの仕様を探すので、そう簡単ではない。
個人ブログやまとめサイトにメーカーごとのTGWを見つけることもできるので、こちらの方法のほうが手っ取り早いだろう。おおむねSSD容量の300〜600倍程度になるようだ。

CrystalDiskInfoによれば、筆者のPCのSSDは、
総書込量が4907GB(=約4.9TB)なので、まだ10%も使っていない。
まだまだ使えることがわかる。


「総書込量」をTGWの値で割れば、今どのくらい消耗しているのかがわかる。

では、
「このまま使い続けたらいつ寿命に達するか」
この問題について考えてみよう。

実はこのPC、購入から3年ほど経った型落ち品なのだ。
3年間の利用で約10%ということなので、単純計算すれば、まだあと27年間は使えることになる。
まず間違いなくSSDが寿命に達する前に、PC本体が物理的な破損や、性能面の問題などから利用を止めることになるだろう。

ちなみにCrystalDiskInfoで「使用時間」を確認すれば、3年(=約1000日)で、
・電源投入回数が242回
・使用時間が2040時間
つまり4日に1度程度起動し、1回8時間程度使っていることもわかる。
※もちろん1日2回起動することもあるので、あくまで目安の値である。

先ほど、「TGWはSSD容量の300〜600倍程度になる」と述べたが、このSSDではTGWが容量の600倍あるので優秀だ。仮に300倍だとしても、まだ14年ほど使えることになる。
どちらにしても寿命を気にする必要はなさそうだ。

この計算からもわかるように、
「SSDの寿命を気にすることはない」
これが現在の一般的な認識なのだ。

現実問題として、SSDが寿命を迎える前に、PC本体の破損や、性能面での問題から買い替えを余儀なくされるというケースのほうが多いだろう。
「24時間つけっぱなしでデータサーバーとして使う」といったような、よほど酷使される利用状況でもない限り、SSDの寿命は気にしなくても問題はない。

とはいえ利用中のPCのSSD寿命は、一度確認しておきたい。
確認しておけば、これからも安心してPCを使えるはずだ。

CrystalDiskInfo

執筆 八木 重和



提供(C)ライブドアニュース

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