アルテミスIIの乗組員が地球帰還後、象徴的な「アースセット」写真を振り返る
アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人月探査ミッション「アルテミスII」で撮影された「Earthset(地球没)」の写真は、世界中の注目を集めた。月の地平線の向こうへ細い地球の三日月が沈んでいくこの一枚は、1968年のアポロ8号が撮影した「Earthrise(地球の出)」と並び称されるほどの象徴性を持つ。
宇宙船オリオンの乗員4人は、月の裏側付近を通過する約7時間の飛行中、約4,000マイル上空からこの光景を目にした。地球の明るい弧には、オーストラリアやオセアニア上空を渦巻く雲が映っていた。NASAはこの写真を4月7日に公開した。
NASAは上場企業ではなく、写真の公開は同機関によるものである。アポロ8号の撮影高度が約60マイルだったのに対し、アルテミスIIの軌道ははるかに高く、宇宙飛行士たちは月全体の円盤を望めたため、このEarthsetは独特のスケール感を持つとされる。
写真の撮影には、NASAが低照度性能と極限環境での信頼性を評価して選定した、10年ほど前の一眼レフ機ニコンD5が使われた。乗員はさらに、ミッション全体の写真撮影目的のためにニコンZ9ミラーレス機なども携行していた。
2026年4月8日にオリオン船内で開かれた宇宙中継の記者会見で、ウィズマン司令官は、月の向こうへ地球が消えていく瞬間の衝撃をこう表現した。「今この瞬間を考えるだけで、鳥肌が立つ。手のひらまで汗ばんでいる。でも、自分の故郷の惑星が月の向こうに消えていくのを見るのは本当に驚異的だ」。
その後、乗員は4月10日にサンディエゴ沖の太平洋へ着水し、NASAジョンソン宇宙センターへ戻った。コッホ飛行士は帰還後、「地球は、宇宙に浮かぶ、ただひとつの安らかな救命ボートのようだった」と振り返った。
アポロ8号の「Earthrise」との類似性は広く指摘されているが、両者には重要な違いもある。Earthsetでは地球の大半が影に包まれた細い三日月として見え、1968年の写真では半分ほど照らされた地球が灰色の月面の縁の上に浮かんでいた。とはいえ、感情的な響きはよく似ており、どちらも世界的な緊張が高まる時代に現れ、地球のはかなさを考えさせるものとなった。
アルテミスIIは4月1日に打ち上げられ、10日間の任務を終えた。人類としてこれまでで最も遠い距離まで到達し、1970年のアポロ13号の記録を更新した。ほかにも、珍しい宇宙空間での日食や、月面への隕石衝突を記録するなど、印象的な撮影成果を残した。
Image by NASA. Text by Kathryn Hansen, adapted from NASA resources.
